高学年になってからの私
剣道クラブに入ったころは、あまりやる気が無くて、同学年の中でも一番弱い感じの自分でしたが、学年が上がるにつれて、大会に参加させてもらう機会が増えていきました。
私は副将のポジションを任されることが多くて、繋ぎとしての役割でした。他の選手が強い人が揃っていたので、自分は引き分けることができれば大体いい流れで勝負に勝つことができていました
私は攻撃力がそこまであるほうではなく、大会では引き分けることが多かったのですが、他の選手が強いので、上位まで勝ち進むことが多くありました。周囲の大会に参加しているチームも強豪が多くて鹿児島で行われる大会は初めから緊張感が溢れるものでした。
鹿児島の強豪は宮崎よりも剣風が多彩なところがあり、トリッキーで上手い感じの剣道をするチームがあったり、足腰がとても強くて、アグレッシブな剣道を展開するチームなど沢山有りました。小学校4年生に上がってから、神社の大会で3位に勝ち上がったり、成果を出すことが増えていきました。
神社の大会は自分達のチームは全員低学年で構成されていて、相手チームはほとんどが高学年のチームでしたが、強豪と呼ばれているチームに勝つことができて、先生からとても褒められました。
準々決勝では、私は中堅のポジションについていて、先峰と次鋒が勝利して、中堅の私が面を2本決めて、前3人で勝負を決しました。相手は自分よりもはるかに体が大きくて、周囲からも強豪チームと認められるような学校だったので、勝つことでとても自信がつきました。
練習はかなり厳しかった
稽古日も今まで週3日だったのが、高学年を指導している先生が週に2回単独で開いている特訓と呼ばれる稽古に参加させてもらうようになりました。特訓は正規の練習よりも先生の指導がより熱くて徹底されたものでした。
稽古の前に行われる素振りも木刀を使ったり、跳躍素振りの回数が増えたり、股割りの素振りで体育館を往復したりしました。
大会で優勝を何回もしたりして先生の機嫌がいい時などは、稽古の代わりに、いきなりドッジボール大会に変わったりして、今思うと子供だましに思えますが、とてもテンションが上がるイベントでした。
先生の指導は基本が徹底されていて、面打ちを特に重視されていて、打ち込み稽古や出はな面の練習を沢山やらされました。素振りの軌道を注意されたり、姿勢が悪い人は背中に竹棒を差し込んで素振りをさせられたりしていました。
丹田に気を充実させて攻めることだったり、一足二眼三胆四力の概念などを教わりました。先生の「剣道は面を一度でも多くかぶったものが勝つ」という言葉もとても印象に残っています。先生の指導はなによりも沢山自分で努力して一生懸命取り組むことを重んじていました。
先生の掛稽古も必ずメニューに組み込まれていて、根性があったり、実力を身に付けたい人は真っ先に先生に稽古をつけてもらっていました。私も先生に掛かっていきましたが、先生は私には幾分優しかったような気がします。私がもう持たないような気分の時には、大抵ストップがかかっていた印象です。
ある大会での先生の印象深いメッセージ
鹿児島の大会に参加させられることが多くて、私が力をつけるにしたがって、私たちのチームも大会の上位に勝ち進むことが増えていきました。ある祭りが主催の剣道大会で準々決勝まで勝ち進み、相手は宮崎県内にある、ライバルと後に意識せざる負えないようなチームと対戦することになりました。
私のポジションは副将で、中堅まで私たちが1本リードしていた時に先生に試合の前に呼び出されて「いいか~! 試合開始の合図がかかったら、一歩も後ろに引くことなく、常に前に出続けなさい! 試合中は一呼吸も置かずに常に相手に攻め込みなさい!」という指示を仰いで、私はその指示のとうりに常に相手を攻めつづけて、相手の反撃を防いでかわし続けて、試合時間の2分が過ぎて、こちらからも一本も奪えなかったのですが相手と引き分ける事に成功して、その後大将が最後を締めて勝負に勝つことができました。
私はこの経験から、大事な場面では守りを固めるのではなく、ガンガン相手を攻めたほうがいい結果が出せることを知りました。かなずしもセオリーの通りにすることが最善とは限らないところがあるということです。
段々と実力がついていった
そのころから私は、相手を攻めまくっているうちに勝ったり、引き分けることができるようになり、市内で開かれている個人戦の剣道大会で入賞できるようになったり、結果が残せるようになりました。
ポジションも次鋒を任されることが多くなり、先峰に強い選手がいたので私はその選手が勝利した勢いを後の選手に引き継ぐ役割を担うようになりました。私は先生の教えのとうりにやっていたので、どんなに強い相手でも簡単に負けることが無くなり、先峰が勝つことが多いので、私が勝ったり引き分けたりすることで、相手が凄い強豪でもあわよくばというシーンが増えました。
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