自分のアタマで考えよう

教養・その他の本

出版社 ダイアモンド社

著者 ちきりん


本の概要

著者の思考の方法論について解説しています。誰にでも耳にする一般的なニュースや情報に接したときどのように自分のアンテナに引っ掛けて、取り入れているか、取り入れた情報をどのように加工・分析しているか、ユニークな視点を得るために実践している頭の使い方を紹介しています。

お薦めの対象者

頭を柔らかくして、考える力を身に付けたい人

本の内容

最初に考えるべき「決めるプロセス」

  • 世の中の事象には、なんであれ良い面と悪い面があります。結論は各人が思うところを一つ選ぶが良い面と悪い面の両方が出てくるのが、「知識に騙されない純粋な思考」の結果です。知識とは過去の事実の積み重ねであり、思考とは未来に通用する論理の到達点である。
  • 私たちが何かを決めるときには情報とは別に意思決定のプロセスが必要です。例えばある洋服を買おうと思ったけれど価格を見て買うのをやめたとして、その意思決定ができるのは、その洋服という情報を集めたからではなく、この質、このタイプの服に関しては、1万円以下でないと私は買わない」という意思決定プロセスを自分の中に持っているからです。

  • 考える、思考するとは、情報を集める作業でも、その情報の加工やグラフ化の作業でもありません。集めて加工した情報を、どのように結論につなげるかという決めるプロセスです。
  • 考える力をつける最も有効な方法は、このような視点で時間の使い方を把握し、自分が考えることに使っている時間を見える化して、それを少しでも長くすることです。

何故?だからなんなの?と問うこと

  • 考える力をつけるためには、一つの情報に対して十分な時間をかけてとことん考えることが大事です。世の中には過去のデータはあるが、誰も将来を予測していない分野も有ります。そのようなときに、自分の頭で考えて予測できる力があれば、将来に向けて準備や投資ができるようになります。
  • 日々目にする新聞、雑誌の記事や広告、さらにはブログやツイッターなどネット上で目にとまった情報のうち、気に掛かった情報に関してだけでもなぜ?だからなんなの?と考えるくせをつければ、今まで見えなかった様々な社会の動きが見え始めます。

あらゆる可能性を検討しよう

能力や人間性、志といった本来のリーダシップの構成要素について、日本人が他国の人達に劣っているとは思いません。そういう人が効率よく正しい方法を身に付けられる機会や仕組みを増やしていくことが、これからは重要になります。

考え方のヒント

縦と横に比べてみよう

プロセスに分解して比較することで、会社と会社、人と人など主体の比較だけではなく、物事のすすめ方や段取りまで直接的に比較できるようになります。

判定基準はシンプルが一番

判断基準を絞り込んだ人だけが結果を得ることができます。優先度の高い基準を選び、その視点だけから選択肢や事象をみると、細部が省略され、本質的なポイントが浮かび上がります。

レベルをそろえてみよう

なんとなくレベルが揃っていなくて怪しい場合は、分かりやすくなるように同じレベルのものをそろえて書き、レベルを整理してみるとよいです。そうするとレベルが揃っていない理由が分かります。

情報ではなく「フィルター」が大事

  • 自分の職業選択のための振り分けの基準のフィルターを見つけるためには、まず実際に働いてみることが大事です。短いアルバイトでも良いので、実戦経験をたくさん積むと少しづつ、何が自分に向いているのかが分かってきます。就活も本来は自分のフィルター探しのために行う活動です。
  • 独自のフィルターで仕事を分けることができるようになれば、就職や転職などキャリア形成の際に、自分の適性や志望にあった職業を探しやすくなります。

データはとことん追い詰めよう

各自がそれぞれに考え、出てきた自分の考えをみんなで共有し、「なぜ自分はそう考えたのか?」という思考の結果と、それに至る思考の道筋を共有することに意義が有ります。そのプロセスを通して、自分とは異なる思考方法を学ぶことで、一人ひとりが考える力を伸ばすことが可能になります。

グラフの使い方が「思考の生産性」を左右する

細部まで突き詰めて考えていかないと、思考を図にすることはできないという点を利用すると、図や絵を思考ツールとして活用することができるようになります。思考の過程において、自分の考えをまずは言語化し、次に視覚化するという二つのステップで検証することにより、自分の考えの甘かった部分が見つかり、思考をより深めることができます。

知識は「思考の棚」に整理しよう

思考の棚を用意して、どの棚にどんな情報が入っているのか、空いている棚はどんな棚で、自分はその棚にどんな情報を欲しがっているのかを常に意識する必要が有ります。情報が手に入る前から、想定に基づいて思考しておくと、いざ情報が手に入ったときに間髪をいれず、それに対する自分の意見を述べられるようになります。

総括

本書は知識をインプットした後の、思考法について解説しています。物事をよく考えて、高い生産性を生む方法を学ぶことができます。

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