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著者 安部正人
出版社 PHP
お勧めの読者
山岡鉄舟の剣の哲学を学びたい人や生涯について知りたい人
本書の概要
山岡鉄舟が生涯大事にしていた考え方で、現代人にも参考になる部分を紹介しています。
本書の内容
鉄舟が感化された静山の教え
技芸によって、人に勝つにあらず、己の徳を修め、その徳に敵が屈するところを勝つのが武の道の真の勝ちというものである
鉄舟の人柄
- 鉄舟は馬鹿正直な人だった
- まず自分の行いを正し、一身を修め整えることが人としての道である
最近の教育で足りていない部分
- 年下を侮らぬこと
- 自分が気が進まないことを人様に求めてはならぬこと
- まわりへの配慮なく自分勝手に行動しないこと
- 人には特意不得意があるから、その人全体を否定したり軽蔑したりしないこと
英雄の本質とは
- 大きな事を成し遂げるには、小さなことを大切にしなければいけない
- 高いところへと向上するには、低い所をなおざりにしてはいけない
- 何事をするのにも、逸ってはいけない、急いで結論を出してはいけない
- 一歩一歩着実に進む忍耐が人生には求められる
人材の活用の仕方
- 二つの目の付け方がある
- 一つは、大工が適材を適所に用いるようにすること
- もう一つは、どのような人材でも、大いなる道中の一員として通用するように工夫することである。
三行 道、芸、倹
武士は道理に疎くあってはならぬ。道義を第一のものとしなければならない。また、道を志して賢人の位に達した者でも、武芸をみにつけておかなくては、戦の役に立たない。やりくりができないために貧窮のうちに死に果ててもならない。学校ならば生徒や児童の痛みを、組織ならば部下の痛みを知ることが、いじめ問題を解決するために大事
有能な人材
上の位
仕事が不器用で、寡黙であっても、正直で、主人のためになることを第一に大切に思い、一身にかえても還元をするもの
中の位とは
諫言するほどの知恵は無くても、奉公をおろそかにすることなく、精を出して勤め上げる者をいう
下の位
自身の仕事を手堅くこなし、私心も持たないけれど、能弁で騒々しいもののこと
- 物事の道理は天地自然の摂理である。この自然の理を時、所、物事に応じて「誠」と慈悲」の本心をもって、智恵として活用する。
- 邪心を捨て去り、謙遜、謙譲、謹慎、自戒の念を大切にすること、そして自身を責めて、人を責めるなということにある
胆力を身に付けるために
- 生と死とに思いを沈潜させて、生死が帰するところは、一つのものであるとしり、覚ることが大切です。
- 日常最も畏れ怖がっているものに敢えて近づいて、それに慣れ親しむ
- 鉄舟は、情欲の海に進んで飛び込み、色情を際断する修業を己に課していた
- 鉄舟がいわんとしていることは、不動の自己、人間誰しもが備えている普遍的な自己を自覚して、世の中の変転に動かされず、惑わされず、主体的に生きることこそ、人間にとって最も尊い営みである。
- 武士道は、善であると認識したなら実行に移さなければならない
- 無我の境地に至れば、そこに大自信が生まれる。大自信とは、自分という人間の本質の尊厳性に目覚めた心境である。
- 敵が我とが刃を交える時、相手を打とうという一念が必ず起こる。そこで我は自分の体のすべてを敵の思うように委ねて、敵が好きなようにうちくるその働きにしたがって勝利を収める。
- 無とか有とか、そういう論理を超えた所に自由自在に働いていくものが仏性である。
総括
本書を読むことで、鉄舟が、大事にしていた感覚や思想を学ぶことができます。
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