キャプテン翼

スポーツ漫画

連載期間 1981年18号 – 1988年22号

発行媒体  週刊少年ジャンプ

作者 高橋陽一

本作品の内容


あらすじ

序盤編

キャプテン翼は静岡県の南葛市を舞台にした少年サッカー漫画です。主人公の大空翼は、ブラジルで活動した経験がある元プロサッカー選手のロベルト本郷から素質を見込まれて、将来はブラジルでプロサッカー選手になることを夢見て、指導を受けて育ちました。父親は航海士で仕事が忙しくて、なかなか家に帰る事が少ない人です。普段は母親と共に過ごしています。

翼は明るく前向きな人柄で、サッカーへの情熱は人一倍ある人で、いつもサッカーボールを足下に離さずに持っています。ボールは友達を信条にしています。南葛小のサッカークラブに入る事になり、背番号10番を任されるようになりました。得意技はゴールの手前で鋭く縦に曲がるドライブシュートです。チームメイトの石崎了とはすぐに仲良くなりました。石崎はガッツがあるプレイが特徴的なディフェンダーです。

翼と石崎

しばらくして、大空翼に匹敵するサッカーセンスの持ち主である岬太郎が、南葛小に引っ越してきて、サッカークラブに入団することになりました。岬太郎は絵描きである父親と一緒に生活をしていて、同じ場所に定住することが無くて、日本や世界の各地を放浪して回っている人です。普段のプレーは翼のボールを受けて、味方のアシスト役に回る事が多い選手です。

それから、全国大会で活躍している隣の地区の修哲小と練習試合をすることになりました。修哲小は来生、滝、井沢選手らの攻撃陣や、ディフェンダーの高杉選手やキーパーの若林選手など好選手をたくさん擁する実力が有るチームです。

両者の戦いは、途中から岬選手が加入して2-2の引き分けに終わりました。この後、翼はロベルト本郷から勧誘を受けて、南葛市の選抜チームで参加する全国少年サッカー大会での優勝を約束して優勝出来たら、ブラジルへ留学するということを決意しました。

全国少年サッカー大会

全国少年サッカー大会は、静岡の南葛SCと埼玉の明和FCが優勝候補にあがっていました。明和FCは、元プロサッカー選手の吉良耕三が監督を任されているチームで、直線的なプレースタイルの剛のストライカー日向小次郎と、4年生のMFの沢田タケシが攻撃の要になっているチームです。キーパーには、空手の動きを操る若島津健選手がいました。

日向小次郎

両チーム以外には、天才MFの三杉淳を擁する武蔵FCや、空中サッカーを披露する立花兄弟を擁する花輪SS、キャプテンの松山光を中心にチームワークがいいふらの小学校がライバルとして立ちはだかりました。南葛FCは予選リーグで明和FCに敗れて、花輪SSに辛くも勝って、予選リーグを突破しました。その後順当に勝ち上がって決勝戦へコマを進めて、明和FCと再戦することになりました。

松山光とふらの小イレブン

明和FCとは死闘になりましたが南葛SCが明和FCを4-2で下して、優勝を果たしました。大会が終わってからは、大空翼はブラジル留学を夢見ましたが、ロベルト本郷は、自分が翼の夢を担えるだけの存在なのか自問自答してから、ブラジルへ単身留学してしまいました。

岬太郎は大会後に、転校していきました。若林は西ドイツにサッカー留学をしに行きました。

中学生編

大空翼は南葛中学校に進学して、若林以外の修哲小のメンバーと同流しました。全国屈指の有力選手に成長した翼は日本サッカー協会の片桐宗政から支援をうけるようになり、ブラジル留学を実現させるための準備を進めていきました。

東一中の早田

県大会では大友中学校の下級生の新田選手らが立ちはだかりました。全国大会では、スカイラブハリケーン、ツインシュートを得意技とする花輪中の立花兄弟、比良戸中の次藤選手や、佐野選手、カミソリタックル、カミソリシュートを得意技とする東一中のディフェンダーの早田選手や、、ふらの中の松山選手らが立ちはだかりました。決勝戦は3大会連続で南葛中と東邦学園中の対決になり、試合では東邦学園に進学した日向小次郎と、沢田タケシや、反町選手、キーパー若島津選手が立ちはだかりました。日向小次郎は、新しい強力な必殺シュートの開発をしに、

花輪中の立花兄弟

監督に無断で、吉良監督がいる沖縄へ武者修行にいっていました。学校に戻ったときは、最初は監督といざこざが有りましたが、吉良監督が直接北詰監督に謝罪したり、日向選手自身も何度も謝罪しているうちに、ときほぐれていって、最後の決勝戦には出場する許可をもらって、最初からプレーして、南葛中と互角の勝負をして、お互いは引き分けで両校同時優勝というかたちになりました。

比良戸中の次藤

ジュニアユース編

全国中学サッカー選手権大会が終わって、日本代表チームに大空翼を中心とした有力選手が選抜されて、ヨーロッパ遠征に行くことになりました。日本代表チームには、大空翼や岬太郎、若島津健,日向小次郎、石崎了、松山光、立花兄弟、次藤洋といった全国大会で活躍したメンバーが選出されました。

ヨーロッパ遠征では、緒戦で西ドイツを代表するストライカーのシュナイダーと西ドイツに留学している若林源三を擁するハンブルグと対戦して1ー5で完敗しました。続いてブレーメンと試合して、この試合も敗れてしまいました。この後、日本チームに、岬太郎、三杉淳、若林源三が合流して、フランス・パリで催される国際ジュニアユースの大会に出場しました。

シュナイダー

緒戦は名ゴールキーパーのヘルナンデスを擁するイタリアと対戦して勝利しました。その後ディアスを擁するアルゼンチン、ピエールを擁するフランス、決勝は西ドイツチームと再戦して大空翼の決勝点で西ドイツを3ー2で下し優勝を果たしました。

本作品の特徴と面白いところ

現実離れした独創的な技の数々

一番の特徴は、独創的な技が多くて、非現実的な要素がたくさんあるサッカー漫画です。これらの要素は海外の愛読者のサッカー選手にも影響を与えています。大空翼の必殺技はドライブシュートで、ゴールの手前で縦に大きくカーブするシュートで、小学生が使うには高度すぎて周囲を圧巻させるような技です。しかし経験を積めば他の選手でもできるようになるシュートで、高校時代には他の選手が出しているシーンがあります。

キャラクター事に必殺技に名前がついていて、性質が少しずつ異なっています。日向小次郎のタイガーショットは、直線的な弾丸のようなシュートです。松山光選手はイーグルシュートで、雪国の練習で鍛えられた足腰から繰り出されるシュートは、地を這うような弾道をえがきます。立花兄弟は、2人が協力して、片方の人の足をジャンプ台にして上空からシュートするスカイラブハリケーンという技を使います。

早田誠選手のカミソリタックルは、反則すれすれの、切れ味が鋭いタックルを繰り出す技です。

チームやキャラクターが個性豊か

キャプテン翼に出てくる登場人物は個性が豊かです。主人公の大空翼や岬太郎は、純粋にサッカーが好きで、楽しいから沢山練習して高い技術を身に付けて、プレーしているタイプの選手です。石崎選手は、いわゆる普通にいる小学生のような雰囲気で、元気がいいというのが一番の持ち味の選手です。

若林選手は、子供の頃からコーチが付いていてキーパーの英才教育を受けていて、家がお金持ちに見える雰囲気で、周囲の環境の影響をたくさん受けている印象の選手です。


明和FCの選手達は、より厳しい練習で鍛えた雑草軍団のような雰囲気があります。高度なテクニックよりも、骨太な強さ、バイタリティを感じるチームです。

ストライカーの日向小次郎は、貧しい家庭で育った選手で、小学生の時点でアルバイトをこなして、家族の生活を支えています。プレースタイルも野生味が溢れていて、より現実的で勝つことに貪欲なプレーをします。直線的で、体が強いので、当たり負けをすることがありません。

チーム自体の特徴も選手がサッカーが上手ければ、下級生でもレギュラーに選ばれることがあります。沢田選手は4年生で、高学年生に実力で認めさせてレギュラーをつかみました。若島津選手は、空手の動きをプレーに取り入れている、若林選手とは違ったタイプの直感型の天才ゴールキーパーです。

武蔵FCの三杉淳は、天才肌のサッカー選手で、医者を志していて、技術の知識も多くて頭脳明晰なタイプの選手です。小学校の試合でオフサイドトラップを使いこなして、他のチームよりも洗練されたプレーをしてきます。心臓病の持病を抱えていて、プレー時間は制限されていて、ガラスの貴公子のような存在です。

ふらのFC松山光選手は、努力型で他のチームメイトと上手く協力してプレーするタイプの選手です。他のチームの主力選手に比べて、あまり自分を強く出さないようなところがあります。ふらのFCはチームワークが優れているので、チームは勝負強くて、毎回上位のほうに勝ち進んできます。

比良戸中の次藤選手は、体格が良くて、他のスポーツでも一番になって、サッカーが一番やりがいがあるからやっている選手です。九州男児らしい、勝気で男らしい選手です。

特徴が似ている3人

本作品は、頭身がみんな同じくらいで顔が小さく、外見の表現が他の漫画に比べてあっさりしたところがあるので、最初見た時は、大空翼と岬太郎、松山光、三杉淳、は顔が良く似ていてあまり区別がつきにくいところが有ります。大空翼と、松山光と、三杉淳は全員中学校でキャプテンをしていて、全員彼女持ちであることもスペックが良く似ています。日向小次郎は性格が硬派なところがあるので、他の選手とは扱いが大きく異なります。日向小次郎は、大人編になってから彼女ができる話がでてきます。

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