ヒカルの碁

青春漫画

掲載期間 1999年2・3合併号 – 2003年33号

発行媒体 週刊少年ジャンプ

作者 ほったゆみ


あらすじ

佐為との出会い

ヒカルの碁は、運動が好きで頭を使う事が嫌いな小学生の進藤ヒカルが主人公の囲碁をテーマにした漫画作品です。ヒカルはある日祖父の家を訪ねて、物置の奥に、血痕が残った碁盤を発見してから幽霊に憑りつかれるようになりました。

塔矢アキラと進藤ヒカル

幽霊は藤原佐為という名前で、以前は平安時代は名棋士として活躍して、江戸時代には本因坊秀作に憑りついて活躍していました。佐為はヒカルに囲碁に興味を持ってもらうように仕向けました。

藤原佐為

ある日碁会所にいた塔矢アキラに対局を申し込んで、佐為がヒカルを動かして囲碁をさせて塔矢アキラを打ち負かしてしまいました。塔矢アキラは日本屈指の名棋士である塔矢行洋名人の息子で幼いころから囲碁に取り組んで、優れた成績を残して将来を有望視されている棋士でした。

塔矢アキラは目の前にいるヒカルと対戦して圧倒されて完敗したので、ショックを受けてヒカルを意識するようになりました。ヒカルは相手に勝ったことがうれしくて、今度は自分でしっかり囲碁を身に付けて、自分の力で相手に勝ちたいと思うようになりました。佐為は塔矢の父親の行洋と対戦したいと考えるようになりました。

中学校に進学

中学生になったヒカルは、葉瀬中学校の囲碁部に入部しました。囲碁部には幼馴染の藤崎あかりもヒカルの影響を受けて入部しました。囲碁部は先輩の筒井が主将として、少人数で活動を続けていました。部員には、将棋も得意で囲碁もできる攻撃が好きな加賀鉄男と、碁会所でも囲碁をしている三谷祐輝もいました。女子には男勝りの性格の金子正子がいました。

塔矢 VS  進藤

葉瀬中学校は、中学生の囲碁大会で、決勝戦まで進んで、名門の海王中学校と決勝で対戦しました。海王中の囲碁部には、塔矢アキラも入部していて、ヒカルとの対局を望みました。ヒカルとの対局は実現しましたが、以前にヒカルと対戦したときの手ごたえが無かったので、塔矢アキラは失望してしまいました。この後、塔矢アキラはプロの道を目指すことになりました。

saiの騒動

ヒカルがネット碁をするようになって、佐為がネット碁を打ちたいと切望するようになり、saiという登録名で強い相手を探して対局するようになりました。saiは圧倒的な実力で相手を打ち負かしたのでその存在がネット内で知れ渡るようになりました。腕に自信がある棋士はごそってsaiとの対局を望みました。saiと対局をした人の中には、院生の和谷もいました。

塔矢アキラもsaiの噂を知って、saiとの対局を申し込むようになりました。塔矢アキラはsaiと対局することになり、そこにはかつてのヒカルとの対局と同じものを感じました。塔矢はsaiに敗れてからもわだかまりが残りました。一方でヒカルは家で佐為と対局することで地力をつけていきました。

院生になる

ヒカルはプロの棋士になる決意をして院生になる試験を受けに行きました。試験は実力が近い人との対局の棋譜の提出が求められてヒカルは2人と同時に打った時の棋譜を提出しました。その後プロ棋士との確認テストが行われました。

院生の試験に合格したヒカルはあるきっかけで自分が塔矢のライバルと宣言してから周囲から軽んじられて、最初はなかなか上位に上がるのに苦労しましたが、頑張っている姿が、次第に周囲から気に留められるようになりました。院生の仲間には、森下門下の和谷、伊角、福井、奈瀬、本田、越智がいました。

伊角

一組にあがってから若獅子戦に出場しましたが緒戦で敗退しました。しかしヒカルはその実力を他の院生にアピールすることができました。プロ棋士の桑原本因坊や緒方9段からも興味を持たれるようになりました。プロ試験の合格を目指して、和谷や伊角と一緒に碁会所に通うようになり、そこには韓国からきた秀英がいて、一緒に対局するようになりました。

秀英に辛うじて勝利した後は、プロの候補者を決めるリーグ戦で、ライバルに勝って好成績を収めて、最後に秀英に勝ったヒカルの実力をきにしていた塔矢アキラから指導を受けた越智が立ちはだかって勝利して、プロ入りを決めました。

プロ入り後

新人とプロの実力者が戦う、新初段シリーズに、ヒカルと塔矢行洋が選ばれて、対局するようになりました。佐為は塔矢行洋との対局を希望するが、あまり実力を見せすぎると怪しまれてしまうので、ハンデをたくさんつけてぎりぎりで負ける条件で対決が実現することになりました。

塔矢行洋 VS  藤原佐為

この勝負は、塔矢行洋の勝利で終わりましたが、佐為の実力を見抜いた塔矢行洋は、次はハンデ無しで勝負することを佐為に約束させました。

ヒカルの公式戦の一局目は、塔矢アキラとの勝負となりましたが、塔矢行洋の体調がすぐれなくなったので、塔矢アキラは看病に行くことになりました。塔矢アキラとの対決はお預けになり、塔矢行洋は、saiとの対局を望んだので、ヒカルは承諾して対局が実現しました。

全世界から注目された2人の対局は一進一退の攻防の末にsaiの勝利となりましたが、ヒカルは後で棋譜を見直した時に行洋のほうに微妙なミスがあったことが判明して、saiが敗れていた可能性があったことに気が付きました。ヒカルはハイレベルな戦いを見た後は力を伸ばし続けて、佐為は自分の役割が果たせたことを自覚して、そのままいなくなりました。

佐為がいなくなってから

ヒカルは、佐為を探しに、佐為が出現した場所や、本因坊秀作の家の跡地などを探し回りましたが、発見できませんでした。ヒカルは佐為がいなくなったのは自分のせいだと思い込んで、家に閉じこもってふさぎ込んでいましたが、伊角がヒカルの家を訪ねて、2人で対局をしながら囲碁を再開するように促しました。伊角は中国へ武者修行に出かけて、楊海らと対峙した後、精神的な弱さを克服して以前よりも力を付けていました。

ヒカルは伊角と対局するうちに囲碁の面白さがよみがえってきて、自分の力で囲碁を続ければいいと思い直しました。ヒカルは塔矢アキラと対局することになり、塔矢アキラはヒカルの中にsaiがいることを認識するようになりました。同じ時期に学生時代に名声を残して、アマ棋士として活躍しプロ入りを志願している門脇と再戦することになりました。以前はヒカル(佐為)に完敗して、ヒカル(佐為)の圧倒的な強さに感服していましたが、今度はヒカル自身と戦うことになり、今回もヒカルが勝利しましたが、門脇は以前のほうが強かったということをヒカルに伝えましたが、ヒカルも納得していました。

しばらくして18歳以下の日・中・韓のプロ棋士が各3人ずつ選ばれる北斗杯と呼ばれる、リーグ戦が開かれました。日本代表は倉田7段が監督を務めて、塔矢アキラ、進藤ヒカルと関西棋院出身の社清春の3人が選手として選ばれました。日本は、高永夏、安太善らを擁する韓国と趙石らを擁する中国にともに敗れて最下位の3位に終わりました。

本作品の特徴や魅力について

ヒカルの碁は、ストーリーが面白くて、囲碁を知らなくても、雰囲気を味わって楽しむことができる漫画です。絵も上手に描かれていて読みやすく感じます。

最初は囲碁の力は佐為による部分が多いですが、少しずつヒカルが力をつけて、一人達して自力で相手に勝負を挑むようになります。心の成長を感じる事ができます。

私の囲碁の経験談

私は麻雀や、将棋をやっていて、囲碁も覚えたいと思って、本や漫画やゲームに手を出しました。麻雀や将棋に比べて、とっつきにくいゲームであると第一印象で思いました。囲碁をやってみて、ルールとか覚えてゲームでコンピュータと対局をしてもなかなか勝敗の感覚が身に付きませんでした。

入門書や解説書をたくさん読みこみました。それでも自分がどれくらいのレベルというのがつかみづらくて、上手くなったという実感もわきませんでした。ゲームの囲碁は、どちらかが優勢というのが表示されるのですが、自分の悪い一手で、直ぐに相手のほうに勢いがつくので、何回もリプレイしたりしていました。いまだにどっちが強いみたいな感覚がつかめていないと思います。センスの良し悪しも影響しているかもしれません。

ヒカルの碁は夢中になって読みました。囲碁がもう少し身に付ければ、ゲームが楽しめるかもしれないと今でも思います。自分は特に、ネット碁にsaiという謎の存在が現れて、挑戦者を驚かせるという話が好きです。圧倒的な存在が突然あらわれるというのはとてもわくわくさせられます。

ヒカルが、最初は佐為の胸を借りて、ときには佐為の実力で勝って、自分の実力みたいに見せて得意になっていたのですが、そのうちに実際に対局を続けて、経験を積んで、saiがそのうちいなくなって、自分自身の実力で勝負するようになるところも好きな部分です。ヒカルが大人に成長したんだなと思います。

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