六三四の剣

剣道漫画

掲載期間 1981年17号 – 1985年41号

発行媒体 週刊少年サンデー

作者 村上もとか


本作品の内容

六三四の生い立ち

六三四の剣は岩手県の盛岡市を舞台にした、本格剣道漫画です。六三四は、全日本剣道選手権大会で2回優勝をした父親と、全日本女子剣道選手権大会で優勝経験がある母親の元に生まれました。六三四という名前は、誕生した日が6月3日で、時間が4時だったことから名付けられています。六三四は、剣道の名選手である両親の影響を受けて、幼いころから剣を握ることになります。

剣道に入門

幼稚園に入る段階になって、北上少年剣道クラブに入会することになり、同じ年の轟嵐子に出会って、ライバルとして2人はしのぎを削るようになりました。

轟嵐子

六三四が小学校1年生の時に、父親の夏木栄一郎は全日本剣道選手権に出場して優勝を果たしますが、決勝戦で東堂国彦選手と死闘を演じた時に、強烈な片手突きを食らって、のどを負傷してからそれが原因で還らぬ人になってしまいました。

母親の夏木佳代は、同じ職場の小学校の八重樫先生と親しくなって再婚をすることになりました。

東堂修羅と出会う

東堂国彦 対 夏木栄一郎

父親のライバルだった東堂国彦選手の息子の東堂修羅とは、同じ年であり、父親の敵を討つために突きの稽古をして奈良県の東堂家に単身で出かけた時に、2人は初めて剣を交えました。この時に修羅に歯が立たなくてそれ以来、修羅をライバルとして意識するようになりました。東堂修羅は、奈良県の名門の柳生剣友会で剣を握ってから、5年生の時から正選手として活躍しました。

全国大会でも、両者は対戦して、団体戦では敗れて、個人戦では勝利して六三四は優勝をしました。
全国大会では、鹿児島の日高剣介や、熊本の有働大悟がライバルとして登場しました。

キャラクターの剣風の特徴

六三四 対 嵐子

六三四の剣風は、気迫を前面に出す剣道で、身体能力が高くて、攻撃的な剣道です。ライバルの東堂修羅は、冷静で、正確な剣さばきでスピードも際立っています。轟嵐子は、才能に恵まれているタイプで負けず嫌いの選手です。日高剣介は、示現流を身に付けて、一打一打が、鋭くて迫力がある剣道をします。有働大悟は、上段構えの名手です。

高校生になって

中学生になってからもライバルの関係が続いて、高校は開陽学園高校に進学しました。高校では、幼いころから六三四と親しくしていて、剣を交えていた大石巌が監督を務めていました。大石巌は、夏木栄一郎を慕う剣士で、全日本剣道選手権大会でも準優勝を勝ち取るほどの腕の持ち主です。

高校では寮生活を送って、先輩の武者潔和と親しくなりました。武者は色々な知識を六三四に教える人で、剣道をするときは人格が変わって狂暴になってしまうところがある人でした。

六三四は身近にライバルが少ないので、一人で自然を相手に修業をしたり、九州に道場破りの旅をしに行ったりしていました。1,2年の時は、ほとんど大会に参加しなかったので、全国的にはあまり名前は知られませんでした。

3年になって、大会に参加するようになって、新しいライバルとして、二刀遣いの乾俊一が立ちはだかりました。乾俊一は、両親に捨てられそうになるなど不遇な過去を持ち、陰のある性格をしていました。岩手県に住んでいた時期があり、六三四の幼馴染の小宮もなみとも会ったことがあり、一方的に夢中になって告白したことも有りますが、小宮もなみにはあまり相手にはされませんでした。

乾俊一

乾俊一は、剣道の才能には恵まれて、剣道を始めて間もなく頭角を現して、九州の孤島に暮らしている古沢兵衛を訪ねて二刀を身に付けて、東京に移住したあとは、東京の代表として全日本高校剣道大会に出場しました。

日高剣介と、東堂修羅と、有働大悟は、高校でも活躍を続けて、全国でも活躍して有名な選手になっていました。日高剣介は薩摩高校のキャプテンとして、団体戦の要の選手で、個人では東堂修羅のライバルとして活躍しました。

東堂修羅は、奈良県の白毫高校に在籍していて、高校の頃は、既に大学の選手でもかなわないほどの腕の持ち主になっていました。学業も優秀で、医者を志していました。全国大会では、1年生のころから天才剣士として、トップに君臨していました。

有働大悟は、名門阿蘇工業高校の大将として活躍しました。団体戦では、有働選手も活躍してチームを日本一にすることができました。

夏木六三四は3年生になって、全国大会の予選を勝ち抜いて、本戦の出場権を勝ち取って、全国大会に出場しました。全国大会では乾俊一と日高剣介と東堂修羅を破って優勝を果たしました。

本作品の特徴と魅力について

本格的で、競技の描写がリアルである

六三四の剣は剣道経験者から見ても、リアル感があるマンガです。作中の全日本剣道選手権大会や、少年剣道クラブ、全国少年剣道大会などの設定や、九州が強いというところは現実とほとんど同じです。剣道の試合や、剣道の動きも実際と感覚が共通していると思います。

全日本剣道選手権大会で夏木栄一郎が東堂国彦から激しい突きを食らって、重いダメージを受けて亡くなるという設定は、実際の剣道には起きていないことです。実際は剣道が上手い人ほど、突きは綺麗に正確にきめています。

東堂修羅の大技の面突き落とし面は、リアルの世界でもとても高等な技であると考えられます。実際の試合では、失敗するリスクが大きいので、ほとんど見られません。しかし面突き落とし面を決めれる力量があればきっと強い選手であると思われます。

乾俊一選手が二刀で全国大会に出場するというシーンは、実際はとても難しいと考えられます。二刀の稽古を積んで熟達している人は少なくて、剣道の試合でも客観的に公平に審判をするのは難しいことです。

六三四が武者修業にいったり、自然の環境で一人稽古したりするシーンは、ロマンがあって面白いと感じます。六三四が、剣道強豪県とはいえない、岩手県で台頭して、活躍するという設定も面白く感じます。

+1

コメント

タイトルとURLをコピーしました