ルーキーズ

青春漫画

掲載期間 1998年10号 – 2003年39号

発行媒体 週刊少年ジャンプ

作者 森田まさのり


あらすじ

ルーキーズは、東京の二子玉川学園高校が舞台の、不良高校生たちが更生して野球部に入部して熱血教師と共に甲子園を目指すというストーリーの漫画です。

主人公の川藤幸一は、幼いころから空手を仕込まれていて、大会で好成績を収めたことがある有段者で、野球経験は無いのですが、教育に対して強い情熱を持っていて子供達に夢を持ってもらいたいと思っていて、不良高校生が集まってきた野球部を、更生するために、勉強して経験を積んで、熱く指導しています。

野球部に集まってきた不良達は、濱中選手や赤星選手や湯舟選手などみんな個性が強くて一筋縄ではいかない人ばかりですが、川藤先生の、一人ひとりととことん向き合うという情熱に心を動かされてだんだん、目標を高く持って、団結して野球に取り組むようになっていきます。

二子玉川学園の校長先生は、元高校球児で、過去の栄光をこれ以上汚したくないために、野球部の閉鎖を考えていましたが、野球部員が練習に真剣に取り組み始めて、練習試合でも結果を残すようになってきたので、思い直すようになっていきました。

川藤先生は、情熱的なアナログ思考の人なので、文学的なことには興味が強くて表現が豊かですが、パソコンは苦手で、女の先生に教えてもらったりしています。女の先生にはとても人気が有ります。

二子玉川学園の野球部に入った不良の生徒は、元々優れた資質を持っている人が多くて、安仁屋選手など中学校時代に中心選手として活躍して、剛速球を投げられる器の持ち主がいて、他に、陸上部顔負けの俊足を誇る関川選手や、センスや筋力が抜群の若菜選手、桧山選手、新庄選手や、人一倍器用で何でもこなせる今岡選手や、代打にめっぽう強い平塚選手がいたりします。

経験が少ないので粗削りですが、みんながまとまって集中してプレーすれば、強豪にも一泡吹かせられるほどのポテンシャルをもっています。

対戦校の特徴

用賀第一高校は、そこそこ野球に力を入れている雰囲気の高校ですが、監督が横暴な人で、選手は監督にこき使われていたりします。選手はいつも窮屈そうにプレーしています。監督の思い通りにならないと、直ぐに文句を言われていたりします。

用賀第一高校との練習試合にて

笹崎高校は、ひと昔前は王者笹崎といわれ、連続で甲子園に出場した経験があり、今は当時の高校球児だった選手が監督を務めて、一時期低迷していた野球部を立て直して、復活の気配を見せてきています。川上という優れた左腕投手がいて、1年生の時には、他の選手を犠牲にしてでも、甲子園のマウンドに立たせ続ける経験をさせました。監督の命令には反発できない雰囲気がある学校です。他にボールに当てただけで、ホームランにしてしまう強打者や、代打で異常な勝負強さを誇る選手などがいます。

川上の甲子園のマウンド

目黒川高校は、毎年都大会ベスト16には顔を出してくる強豪高校で、色々な地域から優れた資質を持つ不良の中学生を集めてきて、更生させて好チームに仕上げていくような学校です。

入部する生徒は元不良の球児が多くて、最初はチームの状態はバラバラでまとまりがなくて、一人一人が優秀な資質を持っていても、結果を出せないような感じですが、監督の指導力で、チームプレーの良さに目覚めさせて、全員がまとまって力が出せるようになってきます。

チームの変化

二子玉川学園の野球部は、最初は御子柴がキャプテンとしてチームを支え続けていて、部員が少なくて存続の危機に立たされていました。過去に試合中に事件を起こしたことがあり、周囲の評判はあまりよくありませんでした。

校長先生は、過去に甲子園出場経験があり歴史もある野球部をこれ以上汚したくないという思いがあり、野球部を閉鎖させようと考えていました。しかし川藤先生が熱心に生徒を更生させて、真剣に活動する部活動に変えていったので、心を改めていきました。

川藤先生は野球未経験者ですが、研究熱心で生徒への面倒見がよく、学校の副校長先生も、川藤先生に協力的で、自身も野球経験があり、知識が豊富でよくアドバイスを送っていました。新しく入ったマネージャーの八木塔子も良くチームを盛り立てました。川藤先生に感化された生徒たちは、最初は部室に閉じこもって遊んでいるような感じでしたが、段々熱心に練習に取り組むようになりました。

練習に真剣に取り組んでいるうちに、練習試合や公式戦で好結果を残すようになっていきました。強豪の笹崎高校や目黒川高校とも対戦して、真剣勝負を繰り広げました。二子玉川学園のプレーは相手校の選手の心をも感化させてしまうところが有りました。

最後の夏の大会は、予選で優勝を果たして、甲子園への出場権を獲得しました。

本作品の特徴と魅力について

川藤先生は今の時代には珍しいタイプの情熱的な指導をする先生です。最近の先生は、大人数を同時に教えようとしたり、パソコンや資料を使って効率よく済ませようとしたり、手間を省こうとする人が増えてきています。川藤先生はそれとは真逆のタイプで、一人ひとりと、とことん面倒を見ようとしています。そうすることで、他人の心を動かしたり更生させたり、夢を持たせることができています。

ルーキーズを描いた作者はろくでなしブルースを描いた人でもあり、画力が高くて、細かい情緒表現ができる人です。読者は物語に引き込まれていきます。一人ひとりが個性豊かで生き生きしています。

全体的に爽快で読むだけで元気が出てくるような作品です。相手校も個性豊かで、それぞれ背景があり、物語があって心を熱くさせてくれます。

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