ちびまる子ちゃん

青春漫画

掲載期間 1986年8月号 – 1996年6月号

発行媒体 りぼん、東京新聞他

作者 さくらももこ


本作品の内容

ちびまる子ちゃんは、静岡県の清水市が舞台の、コメディ漫画です。1970年代の日本の小学校のクラスでの出来事がテーマになっています。主人公のまる子は、作者の子供時代の分身で、小学校3年生です。作品に出てくる友人もほとんどが作者が実際に関わった人達がモデルになっています。

漫画の中では、小学校で起こる様々なイベントがでてきます。例えば、遠足、旅行、クラスルーム、バザー、運動会、掃除、給食、誕生会などが話題になっています。まる子は、個性的な仲間たちと、やり取りしてドタバタ劇を繰り広げます。

登場人物

さくらももこ  

まる子

本作の主人公。モデルは作者自身。A型、牡牛座。9歳の小学校3年生。愛称は「まる子(まるこ)」「まるちゃん」。ピンクの頬が特徴です。食べることが大好きで好きな食べ物には目がありません。宝物はくまのぬいぐるみ。好きなタレントは山口百恵また一文字隼人の大ファンです。

切手を集めています。小心者のくせに見たがりで、お化けが好きだが、髪型は基本的におかっぱだが、たまに髪型を変えることがあります。

装は、赤い吊りスカートをはき、季節によって春・秋は白い長袖ブラウスを着て、冬はその上に黄色いカーディガンを羽織るスタイルが定番です。夏は黄色いTシャツ、または顔の絵がプリントされた白いTシャツを着ていることが最も多いです。また、夏には赤いショートパンツを、冬は長ズボンをはいたりもします。

マイペースで楽天的な性格で怠け者であり、そのうえお調子者な言動から、いつも怒られてばかりいます。勉強嫌いで授業中はいつもうわの空状態です。

忘れ物や寝坊が非常に多くのんきでルーズな節が多々あるが、特に寝坊について筋金入りです。また、夏休みの宿題はギリギリまで手を付けず、毎年最終日になり家族中を巻き込んでいます。

面倒臭がりな反面、好きなことに関しては非常に好奇心旺盛でもあります。勉強以外の、自分が興味のあることなら労力を惜しまず没頭します。また、面白そうなことがあると興味本位で首を突っ込み、結果的に巻き込まれてしまうことが多いです。お節介ではあるが、相手の気持ちになって一生懸命になる世話焼きでお人よしな性格です。

また、自分の思い通りにならないと感情的になり、姉のさきこや両親、関口やはまじなどクラスメイトに対して声を荒げたりすることもあります。趣味は、絵を描くこと・読書・好き勝手に歌ったり踊ったりすることなどです。また、自然や生き物が大好きです。ただし、ゴキブリは嫌いです。

勉強が苦手で、特に算数や社会などの分野が苦手です。何よりもマラソンが嫌いだが、走るのは速く、マラソン大会での記録は学年女子10番以内に入るという好成績です。

たまちゃん

たまちゃん

まる子の親友で、真面目で常識的な女の子です。眼鏡をかけていて、髪型は三つ編みのおさげである。眼鏡の奥の瞳は、普段はあまり描かれていません。

その優しさ故、嫌なことでも頼まれると断れないことも多いが、怒る場面ではしっかり怒ります。いざという時にはきちんと自己主張し、筋の通った理屈で人を言い負かすこともあります。

それでもピアノの発表会の時はプレッシャーのあまり、本番前に大泣きしてしまった事もあります。成績も優秀な方で、テストでクラストップの点数を取ったこともあります。

まる子とは一年生の時から付き合いのある無二の親友であり、仲は周りが羨ましがるほどよいです。まる子をよく助けたりフォローしているが、呆れて冷静なツッコミをすることもあります。恋愛ものの小説や映画に胸をときめかせたりと、ロマンチストです。

はまじ

はまじ

まる子によく絡んでくる男の子で、おバカそうな雰囲気を醸し出しています。気が優しいところがあります。

愛称は「はまじ」。成績はあまり良くないが、陽気で面白い顔をしたクラスのムードメーカーです。B型。食べることが好きで、野球が好きです。

お調子者で一発ギャグをやるなど、お笑い好きでいつもクラスの皆を笑わせるひょうきんな性格です。その一方で優しく涙もろいです。

丸尾君

丸尾君

学級委員長の優等生キャラですが、口癖が個性的で変わり者に見える男の子です。3年4組の学級委員。AB型。非常に怖がりです。学級委員になることに命を懸けているエキセントリックな少年。地道な練習を惜しまない努力家であり、非常に真面目で成績優秀です。

普段はメガネを掛けているが、メガネを外すと「ピカソの絵みたい」とまる子に評されるほどパッチリした二重瞼の目が現れます。初期の頃は大体いつも顔にタテ線が入っていました。

本来は真面目な性格であるが、学級委員になるためには手段を選ばないところがあります。委員の選挙の時は票を入れてもらえるように取り計らうところがあります。

運動は苦手です。加えて怖がりで泣き虫な所があり、ケンカごともめっぽう弱いです。音楽(歌)も大の苦手です。将来の夢は、堅実なサラリーマンです。

花輪君

花輪君

家がお金持ちで、性格も優しくて好青年です。言葉遣いがきざな印象を与えますB型、得意なスポーツはテニスです。

話しながら右に流れる独特のつっぱりヘアーを右手でかき上げる癖もあります。ゆったりとした穏やかな平和主義者で、つかみどころのない独特の雰囲気を持っており、何にも束縛されない自由人です。

キザな性格だが、紳士的で誰にでも分け隔てなく親切なため女子の人気が高いです。お坊ちゃまでありながら世話焼きで面倒見も良く頼もしいので、まる子はじめクラスメートから頼られることも多いです。

通信簿も体育を含めオール5で運動神経も高く、文武両道であるが、後述の理由で習字の授業だけは苦手です。仕事で海外を飛び回っている両親の影響もあり海外の事情にも詳しく、その知識をまる子たちの前で披露することもあります。

クラスでは、まる子と共に生き物係を担当していました。女子達と一緒にいる描写が多くみられるが、男子とも親しいです。

非常に努力家で、たくさんの習い事をしています。月曜ヴァイオリン、火曜ピアノ、水曜フランス語、木曜インド哲学、金曜お茶とお花、土曜英会話を習っているらしいです。

お香を焚いたり、ピラミッドタワーの中で座禅を組んで瞑想したり、とにかくリラックスすることが好きです。

日本国内(鎌倉など)や海外にも別荘が多数あり、長期休暇中はほとんど旅行しています。そのため、長期休暇中に学校に生徒たちが集まることがあっても、唯一いないこともある。自然や動物が好きで、庭にはたくさんの花木があり、小鳥たちも暮らしています。日本国内の流行にはやや疎い部分があります。

みぎわさん

みぎわさん

花輪君が好きな女の子です。一方で花輪君はみぎわさんには距離を置いている印象です。女子の学級委員。血液型A型。趣味は剣道。バレエも習っています。「アマリリス」という名のブルドッグを飼っており、とても可愛がっています。

少々怒りっぽく、ヒステリックで高圧的になってしまうことが多いが、基本的には真面目で成績も良いほうです。学級委員を任されているだけあり、責任感と統率力を買われています。

花輪くんが大好きで、彼に対してストーカーに近い偏執的な愛情を持っています。花輪くん以外の男の子に対しても意外と優しいところがあります。

プー太郎

プー太郎

「ぷー」が口癖の元気がある男の子です。はまじの親友。血液型B型。小太りで豚のような顔をしています。やや鈍くさいところがあります。はまじとは大の親友同士です。

また、なかなかの妹想いで、積極的に面倒を見ています。一度だけ柔道と剣道を習ったことがあります。将来の夢は、プロ野球選手になることです。宇宙飛行士にもあこがれています。

永沢君

永沢君

根暗な印象を与える男の子です血液型B型。玉ねぎのような形の頭とそばかすが特徴。胃腸が弱い。暗く、影を背負った感じの少年で、藤木とは親友です。

特に藤木に対しては彼が卑怯扱いを受けた事も相まってきつく当たっており、彼が言い返せないのを良い事に度々酷い態度を取っています。一方、両親のことを気遣ったり、弟の太郎の世話をよく見ていたりと家族想いな一面もあります。

お笑いが好きであり、クラスでまる子らと「お笑い研究会」を作ったり、後に中学時代には藤木とお笑いコンビを結成したり、同じお笑い好きである野口を気にかけたりしました。成績や運動神経は特に良くも悪くありません。

藤木君

藤木君

永沢君といつも行動を共にしている、暗い雰囲気の男の子です。三角形の目でクチビルが青く、暗い性格の男子です。魚座。血液型A型です。

永沢とは陰気コンビです。ぼんやりとしていて、ドジで要領が悪く気弱な性格であり、いつも永沢達に嫌味を言われてばかりいます。知識量も少なく、九官鳥や柴犬を知らず永沢や山根に馬鹿にされたことがあります。

無邪気な一面もあり、永沢はそれが親友でいる理由なのかもしれないとも考えています。笹山かず子に片想いをしているが、なかなか想いを打ち明けられないでいます。

野口さん

野口さん

お笑いが好きで、印象が暗いミステリアスな女の子です。ミステリアスなオーラのある暗い女子です。好きなお笑いタレントは坂田利夫。血液型AB型。

藤色や紫色など、いつもくすんだ色の服を着ており、髪型はおかっぱ頭で、日本人形のような顔をしています。無口でリアクションも薄いため、表情から考えを読み取ることはほぼ不可能です。身長はかなり高く、レギュラーの女子の中では一番の長身です。

普段は無口でおとなしく、地味で暗い感じで、感情を控えたか細い声だが、実は大好きなお笑いなどの面白いものを含めて多趣味・多才。自分の主張はきっぱりとする度胸ある性格で、一本筋が通っています。

洞察力も小学生とは思えないほど高く、人の本心を言い当てるのが得意。実は英語が堪能で、テストの点も「80点は当たり前」と頭も良く、暗記やなぞなぞが得意と、隠れた実力者です。まる子とは共にお笑い好きであることから意気投合して仲良くやっています。

家族構成

お姉ちゃん

お姉ちゃん

まる子の姉。まる子とは女同士の姉妹ではあるが、「きょうだい」と呼ばれる場合もあります。A型。現在は西城秀樹の熱狂的大ファン。蛇とカエルが苦手です。性格はクールでマイペースです。

部屋を散らかしたり、ぐうたらな態度をとるまる子に対して怒ることも多いです。姉妹で歳も近いことや、性格が正反対なこともあってまる子とよくケンカをします。しかしいざという時はまる子を助けようとする妹思いのお姉ちゃんです。

運動は大の苦手であり運動神経も芳しくなく、特に、体育の成績いつも1です。だが体は柔らかいです。カエルやケムシ、トカゲなど「気持ち悪いもの」が大嫌いで目にしただけで気が動転し絶叫します。遠足が大好きです。

お母さん

お母さん

まる子の母です。A型、ヒロシと同い年の40歳で専業主婦です。

好きな歌手は島倉千代子と山口百恵です。髪型は、パーマをかけています。体重は58kgで、太めな体型を本人も気にしていますが、ダイエットは続かない模様です。

まる子が勉強をしていなかったり家庭でトラブルを起こしたりなどすると、「まる子っ!!」「おばかっ!!」「バカまる子!!」などと怒鳴ることが定番ですが、普段は優しいです。極度の心配性かつ貧乏性で、毒舌な一面もあります。

基本的にはしっかりしているが、自分に都合の悪いことにはシラを切る悪い癖があるほか、まる子やさきこを諌めるために作った家庭内のルール・規則を自らの都合により破棄しまうこともあります。

お父さん

お父さん

まる子の父。通称「父ヒロシ」。A型、40歳。好きな歌手は美空ひばり。青江三奈のファンです。

性格は、まる子同様のん気でマイペースでおっちょこちょいの面倒臭がり屋であり、まる子も「そういうところが私のお父さんらしい」と言っています。

大の酒好きで、一時あることから飲まなかったときに家族に変に思われたほどです。趣味はタバコ、釣りです。タバコの値上がりを理由に禁煙をしたことがあるが、短期間しか続かず、しかもその間もタバコを持っていました。

プロ野球も大好きで、ナイター中継をやっている間はテレビを独占するので他の家族から不満がられています。

おばあちゃん

おばあちゃん

まる子・さきこ・あけみ・ひろあきの祖母でヒロシの母。72歳。A型、牡羊座。普段は優しく穏やかな性格です。「まる子や」「おやおや」などが口癖です。

普段から着物を着こなし、眼鏡をかけています。友蔵よりしっかり者で、興奮して暴走しそうになるとたしなめる役目です。よく友蔵とは老人会の集まりに出掛け、まる子にお土産を持って来てくれます。

年寄りならではの豊富な人生経験や高等女学校の知識から、よく色々な諺(ことわざ)や生活の知恵などを教えてくれます。

おじいちゃん

おじいちゃん

名前は友藏で、まる子と気が合います。優しくてまる子に良くしてくれます。まる子・さきこ・あけみ・ひろあきの祖父でヒロシの父。76歳。O型、好きなタレントは山口百恵です。

まる子の一番の理解者で、どんな時もまる子の味方。昔から穏やかな気質で、大体いつもぼんやりと過ごしています。

まる子を溺愛しており、まる子のトンチンカンな行動に協力しては他の家族に怒られたりあきれられたりしています。痴呆の気があり、家族と話している時には変な発言をして空気を止めたりすることが多々あります。

俳句好きで、何かあると心の中で俳句を詠みます。しかし、季語が入っていないので、実際には川柳であることが多いです。まる子に指摘されるまで俳句には季語が必要であることを知りませんでした。他に、水泳、木登り、浪曲、囲碁が得意です。まる子と同じく、自然や生き物(特に蛇)が好きです。

花輪家の執事・ヒデじいに憧れていて、交流があります。たまえの父がカメラ及び写真に心酔するきっかけとなった張本人であり、彼に会うたびに、記念の大切さについて意味深げに説いています。

本作品の特徴と魅力

1970年代のレトロな雰囲気が味わえます。テレビは箱型のテレビで、真ん中にこたつのテーブルがあって、みんなで囲んでテレビを見ていたりしています。学校行事は、実際に日本の小学校で行われている内容です。当時の懐かしい感じを味わうことができます。友達は個性あふれる人たちで、笑えるエピソードがたくさんあります。

物語にはナレーションが入っていて、キャラクターを引き立てるアクセントになっています。表情に縦線が入ったり、本作品ならではの面白い演出があります。

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