太気拳の最重要トレーニングに立禅というものが有ります。立禅は基礎的な武道の体を作り上げるのに欠かせないトレーニングで毎日必ず決まった時間こなす必要が有ります。
内容は直立の状態から少し膝を屈ませて、腕を前方に出して円を描いた状態で一定時間静止するというもので、気を練り上げて武道的な体を養成するといわれています。
立禅は最初に取り組み始めたころは、体に負荷がかかって段々辛くなるようなトレーニングで、一見筋力トレーニングのようなものと錯覚しやすいところが有りますが、主要な目的は筋力トレーニングとは異なります。
立禅は、長時間同じ姿勢を保つトレーニングをすることで、体の内的な感覚が磨かれていきます。具体的には気が体を流れる感覚が身に付いたり、バランス感覚や身体感覚が研ぎ澄まされます。普段の歩行やランニングの動作が合理的になって、スムーズに歩けるようになります。
普段の活動で体の重みを感じにくくなるので、普段の生活でくつろいでいて、「どっこらしょ」と腰を上げる感じもなくなり、動作が若々しくなります。
立禅とスクワットは一見動作がよく似ていますが、立禅は東洋的なトレーニングで、主に内的感覚が養われて、動作が合理的になるのに対してスクワットは主に物理的な筋力が上がります。立禅を毎日こなすと深層筋やインナーマッスルが鍛えられて、四股のまとまりが良くなり、体の中心が強くなる感覚があり重心が丹田に落ち着くようになります。
立禅は感覚的には動作のキレがよくなり、足取りが軽くなるような感じで、武道のセンスが上がり剣道では常歩剣道と強い関連性があります。スクワットは、筋力そのものが向上して足が太くなり重いものが持ち上げるようになったり筋力が無いとできないことができるようになります。
普段の活動をきびきびとしたいときや長時間活動しても疲れないようにしたい場合は、スクワットよりも立禅のほうが効果が見込めます。実際に、世の中にはとても足が細いのにとても活動量が多くて疲れ知らずの人がいたりします。そういう人は筋力はそこまでなくても体の使い方が合理的で疲れにくいタイプであると考えられます。
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