今の時代に剣道をすることはとても有意義だと私は思います。そう思う理由を示していきます。剣道をする目的は人によって異なると思います。純粋に強い剣士を目指している人もいれば、剣道をするのが楽しいから道場に通っている人もいるし、体力や健康を維持するために剣道に取り組んでいる人もいます。
子供にとっては、礼儀作法が身につくという理由で習い事として剣道をさせられている人もいます。
剣道をする目的は様々で、剣道で身につく事も様々ですが、その中でも現代人が敢えて剣道を生活にとりいれるべきという要素があります。それはアナログ的な人間的な洞察力が磨かれるということです。
剣道は毎日の稽古を通して、自分の心や体と他人の心と向きあうことになります。自分の心はいつもころころ変わっています。落ち着いていたり、やる気にあふれていたり、気が乘らなかったり、相手と対面して緊張したり、慌てたり、負けて悔しかったり勝ってうれしかったりいつも一定になることは無く、新しい感情と向き合って、時には克服しながら剣道に取り組んでいます。
剣道をすることで自分の体とも向き合います。自分の体の状態がころころ変わるので、毎日の稽古でいかに自分の状態を把握して上達に結び付けていくかを考えていきます。竹刀を持った感覚も、重く感じたり、体調がいい日は軽く感じたりします。
状態がいいときは体が軽くて、ポンポン打突が決めれる時もあります。稽古を積み重ねていくと体力や体の感覚や筋力が発達していき以前は難しかった動きが簡単になり、自分が成長した感覚が味わえます。
また、剣道をすることで他人ともいつも向き合うことになります。他人も自分と同じ人間なので、心や体の状態はいつも変化しています。相手との立ち合いで、相手の動きはいつも予測しない動きをするし、自分の思いとおりに相手を動かすというのはとても難しいということが理解できるようになります。稽古を他人と毎日することで他人のことを繊細に扱うようになってきます。同様に自分に対しても繊細に感じるようになってきます。
最近の社会の問題としてコンピュータ―のような思考をする人が増加しているということが有ります。毎日パソコンやスマートフォンなどのデジタルな物の扱いに慣れすぎて、他人が自分が都合がいいように動かせるという風に錯覚してしまいます。しかし他人は人間なので全く性格が異なり、自分が思うように動かすことはできないし、無理をすると人間関係に支障をきたしてしまいます。
剣道に普段から取り組んでいると人間に対する洞察力が高まるので、相手のことに共感したり気を配る能力が上がります。人や生物をいたわる気持ちが養われます。これからの時代はデジタル技術を上手く使いこなしながらも、アナログの感覚も同時に磨くことが大事になってきます。そのためには剣道はうってつけの競技ということができます。
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