聖闘士星矢 1

バトル漫画

作者 車田正美

出版社 集英社

掲載誌: 週刊少年ジャンプ

掲載期間:1986年1・2合併号 – 1990年49号


内容

この世には邪悪がはびこるとき、必ずや現れるといわれる希望の闘士聖闘士。その拳は空を裂き、蹴りは大地を割るという。彼らは神話の時代より女神アテナに仕え、武器を嫌うアテナのために素手で敵と戦い、天空に輝く88の星座を守護としてそれを模した聖衣と呼ばれる防具を纏う。

そして現代、6年もの厳しい修行を経てアテナの聖闘士となった少年星矢が父に運命を託された実の兄弟たちと共に地上の覇権を争う神々の争いに身を投じる。

天馬星座(ペガサス)の星矢、龍星座(ドラゴン)の紫龍、白鳥星座(キグナス)の氷河、アンドロメダ星座の瞬、鳳凰星座(フェニックス)の一輝、の5人の青銅聖闘士が全編を通じて物語の軸となる。

本作品は銀河戦争編と黄金聖闘士編とポセイドン編に分かれています。銀河戦争編はさらに細かく青銅聖闘士編と暗黒聖闘士編と白銀聖闘士編に分かれています。

銀河戦争編

青銅聖闘士編

ブロンズ聖闘士

主人公・星矢は聖闘士の総本山であるギリシアの聖域にて、女聖闘士・魔鈴から過酷な修行を受ける。教皇の見守る前でライバル・カシオスとの死闘を制した星矢は天馬星座の青銅聖闘士として認められ、天馬星座の聖衣を手に入れる。

星矢に修行を強いたのは、日本の大財閥グラード財団の総帥・城戸光政であり、同様に世界各地で命がけの過酷な修行を経て、聖衣を授けられ聖闘士となって日本に帰ってきたのは星矢を含めわずか10人であった。

彼らは光政の孫娘・城戸沙織の主催する一大娯楽イベント「銀河戦争(ギャラクシアンウォーズ)」に参加させられ、それぞれの思惑を胸に、優勝賞品の黄金聖衣を賭けた闘いが始まる。だが戦いが進むうち、謎とされた10人目の参加者・一輝が乱入し、配下の暗黒聖闘士(ブラックセイント)により黄金聖衣が強奪され、銀河戦争は中断を強いられる。

暗黒聖闘士編

黄金聖衣を持ち去った一輝の影武者たちを追撃する星矢、瞬、氷河、紫龍の4人。星矢たちは黄金聖衣のパーツの一部を奪還することに成功する。だが影武者たちは雑兵に過ぎず、彼らの背後には暗黒聖闘士最強を誇る「暗黒四天王」がいた。星矢たち青銅聖闘士4人と暗黒四天王、そして一輝との、黄金聖衣を賭けた戦いが始まる。

白銀聖闘士編

シルバー聖闘士

一輝を倒して黄金聖衣を取り返した星矢たちだったが、銀河戦争を聖闘士の掟に反する私闘と見なした聖域から、青銅聖闘士抹殺のために10人の白銀聖闘士(シルバーセイント)と聖闘士の頂点に立つ黄金聖闘士(ゴールドセイント)が派遣される。

自分たちより格上である強敵との激闘の後、黄金聖闘士・獅子座のアイオリアとの対決によって城戸沙織こそがかつて黄金聖闘士・射手座のアイオロスに救われた女神アテナの化身であること、そして聖域の教皇こそがアテナ暗殺を企んだ元凶であることが明らかになり、星矢たち青銅聖闘士は教皇に戦いを挑むことを決意する。

黄金聖闘士編(十二宮編)

ゴールド聖闘士

教皇を倒すために、アテナ沙織を擁す青銅聖闘士たちがギリシアの聖域に乗り込む。が、聖域に到着早々、トレミーが放った黄金の矢によってアテナが倒れる。その矢を抜くことが可能なのは教皇だけだと聞き、青銅聖闘士たちは十二宮の頂上にある教皇の間を目指す。その行く手を阻むのは、88の星座の中でも頂点を極めた最強の黄金聖闘士(ゴールドセイント)たち。

死闘を乗り越え、本物の教皇を殺害し13年前から教皇になりすましていた双子座のサガと星矢の最終決戦、アテナの復活、そしてサガの自決で終わる。最強といわれる黄金聖闘士が5人(双子座のサガ、蟹座のデスマスク、山羊座のシュラ、水瓶座のカミュ、魚座のアフロディーテ)も命を落とした激戦であった。これらの戦いはサガが起こした教皇暗殺とアテナ暗殺未遂が招いた悲劇と判明した後は「サガの乱」とも総称される。

ポセイドン編

ポセイドン編

地上制覇の野望を持つ海皇ポセイドンにより地中海の海底神殿に拉致されたアテナを救助するため、星矢たちが、7つの海の底に聳え立つ7本の柱を守る海将軍(ジェネラル)たちと闘う。本編は、首謀者双子座のカノン(海将軍のリーダーとして立ち塞がる)を改心させ、海皇ポセイドンの魂をアテナの壺で封印し、海底神殿の崩壊で終わる。

主要登場人物

天馬星座(ペガサス)の星矢

ペガサス星矢

明るく無邪気で屈託のない性格。聖域で修行した事情もあってアイオリアの良き弟分。腹違いの兄弟という血縁関係がある中で、星矢、紫龍、一輝、氷河、瞬の5人の中では兄弟の一番下の年齢。自分と実の姉星華を捨てた実の父親(城戸光政)を心の底から憎んでいる。いずれにも共通するのは心根の優しさ。

幼少期は生意気な性格で、高慢な沙織やそれに従う邪武の態度に反発していた。惰弱な性格は徹底したスパルタ指導を行う聖域での師匠・魔鈴に徹底的に鍛え直された。

主人公として先頭に立って真っ先に敵陣に突っ込んでいく。失明に近い重傷を負ったり、仮死状態に陥ったりと多くの負傷に見舞われているが、何度倒れても必ず立ち上がる不屈の闘志、加えてどんな強敵や苦境にもひるまずに立ち向かう真の勇気の持ち主である。その熱い心は、数々の強敵を前に奇跡的勝利をもたらし、そして彼に出会う人間の多くに影響を与えている。

一方では誠実な紫龍やクールな氷河と異なり、闘いの最中でもコミカルな表情を見せたりと意外な一面もある。考えるより先に動くなど思慮に欠け無鉄砲な所が目立つ。

自身の育った星の子学園は、聖闘士となった後でも安らぎの場所である。共に学園で育ち、現在でも学園で働いている美穂とは幼馴染み同士で、姉が消息を絶った以降は唯一の身内とも呼べる存在。

師匠の魔鈴とは互いに兄弟のような関係である。女心がまるでわかっておらず、幼少期から星矢を慕う美穂も面倒見の良い幼馴染みとしか思っていない。

闘いにおいては瞬発力と敏捷性を誇り、そのスピードは青銅聖闘士一とされる。いかなる強敵や苦境にも怯むことなく立ち向かう、真の勇気と不屈の闘志の持ち主である。

龍星座(ドラゴン)の紫龍

ドラゴン紫龍

性格は誠実で勤勉。思慮深く落ち着いた性格であり、後に聖闘士の要となり得る存在とまで呼ばれている。大変義理堅い性格である。ただし最初の頃は傲慢な態度が目立ち、童虎からも精神的な幼さがあると指摘されていた。

最初は星矢とコンビを組むことが多かったが物語中盤以降は氷河と行動を共にするようになる。外見は腰近くまで伸びた黒髪が印象的な美少年。黄金、青銅の中で一番痩せている。仲間の中で一番大人びていて智恵が働くので何回も助言で味方を助けている。

童虎によって聖闘士としての闘法のみならず、「生きる」という根本的なことを教わり、孤児という境遇の中で光明を見出した紫龍にとって、修行地である五老峰は聖闘士となった後でも安らぎの場所である。春麗からは深い愛情を抱かれている。童虎は紫龍の実直で誠実で正義感の強さが聖闘士としての最大武器と認めていたが、同時に柔軟性に欠けてるとも指摘しながら愛してした。

攻防のバランスが取れた聖闘士で、盾に頼らずとも身軽なため回避能力にも優れている。加えて連続攻撃より、一撃必殺の技を多く持つ。闘いにおいては敢えて聖衣を脱ぎ捨てるなど敵前で自身を追い詰め背水の陣で小宇宙を高めてゆく。そのため、限界を越えた闘いの最中で出血多量や失明、挙句には仮死に至るなどの重傷を負うことも多い。

小宇宙が最高点にまで燃え上がると、龍が天に昇るときに発するという燐気が全身に満ち、背中一面に龍の姿が浮かび上がる。

白鳥星座(キグナス)の氷河

キグナスの氷河

ロシア人と日本人のハーフであり、ブロンドの髪と青い瞳が特徴。寡黙な振る舞いで、一見すると冷たい印象を与えがちだが、内面には優しさ、母への愛情、聖闘士としての熱い闘志が秘められている。

黄金聖闘士であるカミュに師事し、固い絆で結ばれている。十二宮編では死闘の末、カミュをも越える絶対零度の凍気を身に付けて師を破った。この戦いの後も、師に対する畏敬の念を表す描写がなされている。師亡き後は、一度闘った黄金聖闘士・蠍座ミロが後見人になり、破損した白鳥座の聖衣を修復させるため彼の血をもって復活させてもらった。

修行地である東シベリアのコホーテク村は彼の故郷とも呼べる場所である。同じくコホーテク村に住む少年ヤコフから慕われており、闘いから離れた暮らしではヤコフの生活を助けたり、逆にヤコフから食料を得たりと行動を共にすることが多く、互いに欠かせない存在となっている。

小宇宙によって物質の熱運動を下げることで、標的物を凍結させて戦闘不能に至らしめる凍気技の使い手。紫龍同様に黄金聖闘士に師事し指導を受けただけあり、青銅聖闘士の中でも突出した技術の持ち主である。

アンドロメダの瞬

アンドロメダの瞬

闘いを好まない心優しい性格。髪は亜麻色。また顔立ちは少女と見まごうほど整っており、青銅聖闘士一の美少年ともいわれる。幼い頃から穏やかな性格で周囲に泣き虫とからかわれており、できることなら敵を攻撃するのではなく、身を守るだけで済ませたいと考えている。一方で仲間を守るために自分自身を犠牲にすることも厭わないところがある。

幼い頃から自分を守り続けた兄である一輝のことは深く慕っており、一度拳を向けられたことがあってもその想いは変わっておらず、彼を敵だと思ったことはない。感傷的になりやすい。他のメンバーにはある憩いの場所と呼べるものはない、

青銅聖闘士最強の実力者・一輝の実弟だけあり、兄とは正反対の性格でありながら瞬もまた高い潜在能力の持ち主である。修行時代の戦闘訓練では小宇宙を発現させることはなく、サクリファイスの儀式において初めて小宇宙を開花させたように見えたが、実は修行の最中で既に小宇宙を発現させていたにもかかわらず、闘いの相手を傷つけることを恐れてそれをひた隠しにしていた。実際の戦闘では生身の状態でダイダロスに実力を明かし、彼の白銀聖衣を全壊させたことがある。

通常は聖衣に装備されている星雲鎖による防御主体の闘技を身上とし、一撃で黄金聖闘士を倒せるだけの生身の拳を持っているが、普段はあえてその技を封印している。

鳳凰星座(フェニックス)の一輝

フェニックスの一輝

聖闘士として初めて現れた際には、ギルティーから植えつけられた、城戸光政の血に対する憎悪を全身からみなぎらせており、皆を恐れさせた。しかしそれは、実際には一輝が無理をして偽悪的に醸し出していたものであり、実際、ギルティーから憎しみを持つよう仕込まれた6年間も、彼は憎しみを身につけることはまるでできておらず、罵られていた。

一輝の憎しみは、エスメラルダを失ったショックと自分の出生に対するショックを同時に味わったことから、無理に急いて作り上げたものでしかなかった。憎しみからの解放後は幼い頃のように弟を気遣う兄に戻った。

馴れ合いを好まず普段は単独行動をとっているが、聖闘士としての使命感は固く、仲間の危機には駆けつける。実弟の瞬のことは、一度は拳を向けたことがあるものの誰よりも大事に思っており、星矢達と和解してからは瞬がピンチの時は必ず駆けつける。

城戸沙織に忠誠を誓っている訳ではなく、彼が力を貸すのは星矢達のピンチを救うためである。瞬以外にはあまり直接的な情を現すことは少ないものの、彼なりの気遣いはしている。

憩いの場所と呼べるものがないのは弟の瞬同様である。デスクィーン島で自分を気遣ってくれた瞬と酷似した少女エスメラルダは、瞬と同様に大切な相手である。

青銅聖闘士最強といわれる実力者であり、その強さは青銅聖闘士を超越し、格上の白銀聖闘士・御者座のカペラを一撃で葬っている。「恐ろしく攻撃的」と称される小宇宙を持ち、初対面である敵にすら「青銅最強の聖闘士」として知れ渡っている。闘う相手は、敵の最強クラスであることが多い。

その守護星座である鳳凰の如く、強力な敵との戦いにおいて消滅したと思われても必ず蘇り、仲間の危機にはさらに強大且つ苛烈な小宇宙を発し、その身に爆炎を纏い現れる。

城戸沙織(アテナ)

城戸沙織

幼少時は自身の素性を知らず、大富豪の令嬢として何不自由ない生活を送っていたため、言いなりに従う邪武を馬代わりに乗り回すなどなど苦労をかけたり非常にわがままに振舞い、言いなりに反した星矢を始めとする多くの孤児たちからは羨望と憎悪の対象となっていた。

星矢達が聖闘士となった後も傲慢、わがまま、自分勝手などと罵られていたが、アテナとしての覚醒後はその気性の激しさはやがて神としての気高さへと昇華され、聖闘士たちから絶大な愛と信頼を寄せられている。

地上の女神としての宿命ゆえ、基本的には自分の感情をあえて押し殺しているが、その心の奥底では神としての重責に耐え切れず、1人の人間の少女として生きたいという気持ちがある。特に、実姉と引き離され事あるごとに反発していた星矢に対しては、自身も財団の令嬢であるがゆえに逆に孤独な境遇を強いられた過去があるため、自分に似た境遇を感じており、明確な表現が少ないものの恋慕に近いものがある。

神であるがゆえ、その小宇宙は至高の聖闘士である黄金聖闘士をも遥かに上回り、それでいて決して攻撃的ではなく、愛と安らぎに満ち、瀕死の聖闘士たちを甦らせる。聖闘士たちにとっては正義の象徴とも呼ぶべき存在である。

人智を超えた力を持ち、どんな強敵を前にしても毅然と立ち向かうが、そのためにしばしば敵の手に落ち、
神でありながら人間の肉体を持つために命の危機に晒されることも少なくない。しかし、その限りない優しさと大いなる慈悲の心は、敵陣を前にしても決して失われることはない。

また現代に至るまで自分の素性を知らず、光政の遺志を継いで正義を貫くため、あくまで平和を願う人間の1人として邪悪に立ち向かっていた。白銀聖闘士戦の最中の破壊されたコロッセオ跡で、執事の辰巳徳丸より光政の遺志による真実を知らされた後、射手座の黄金聖衣が星矢達と共鳴する事でアテナの小宇宙に目覚め、自分がアテナの化身ということを自覚していく。

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