聖闘士星矢 2

バトル漫画

作者: 車田正美

出版社: 集英社

掲載誌: 週刊少年ジャンプ

掲載期間:1986年1・2合併号 – 1990年49号


主要登場人物 続き

教皇シオン

教皇シオン

前聖戦時の黄金聖闘士・牡羊座のシオン。現在の牡羊座の黄金聖闘士・ムウの師。アテナの化身である沙織の誕生による新たなる聖戦の到来を前に、自らの後継者と目していたサガに殺害され、取って代わられる。

カシオス

カシオス

天馬星座の聖闘士の座を星矢を含む候補者たちと争い、星矢とともに9人の闘士を倒して最後まで勝ち残る。最終戦では教皇の前で星矢と戦い、巨体をいかした怪力戦法で勝ち誇り、星矢の耳を切り落とそうとするが、逆に星矢に左耳を切り落とされ、小宇宙の闘法に覚醒した星矢のペガサス流星拳によって倒される。

シャイナ同様、日本人である星矢に古代ギリシア文明の遺産でもある聖衣を奪われることを嫌悪していた。外見とは裏腹に細やかな生活雑務から情報収集などもこなし、愛する者を慈しむ優しい心も持ち合わせている。

シャイナを慕い、仇でありながらシャイナの想い人でもある星矢を救うため、十二宮編で幻朧魔皇拳による精神支配を受けたアイオリアのいる獅子宮へ乗り込む。

アイオリアを正気に戻すには彼の目前で人間が1人死ぬ必要があったため、星矢の目前で自ら命を絶ち、星矢に看取られながら息を引き取った。

貴鬼

貴鬼

通称、アッペンデックスの貴鬼。引眉が特徴。念動力(サイコキネシス)を使ったいたずらをするなど幼い面も見せるが、アテナの戦士であることに誇りと責任は持っており、どんな苦境も諦めない闘志は、仲間も認めている。

城戸光政

グラード財団の先代総帥。ギリシア旅行中にアイオロスから赤子のアテナと射手座の聖衣を託され、アテナを自らの孫・城戸沙織として育て、聖衣も加工してヨーロッパの骨董品)に見せかけ聖域の目を欺いた。また、アテナを守るために自らの非嫡出子の男子百人を聖闘士候補生として世界の修行地に派遣した。

聖衣を手に入れて帰国した聖闘士達の中から偽教皇と闘える真の聖闘士を見つけること、射手座の黄金聖衣が本物であること、アテナが城戸沙織と名乗って存命であることを偽教皇に知らしめる目的で銀河戦争を企画するも、実施を見ることなく5年前に他界。

百人の子供を大義のために生贄とする罪深さに懊悩するなど、業が深いながらも脆弱さから逃れられない人物として描かれており、一輝から真実を知らされた星矢達から一層怒りと憎しみを受ける。

アイオロスの意気に感じ最期の願いを快諾、幼少期のわがままな沙織を厳しく窘める、死後も霊となり彼女に星矢達に優しく接するように諭す、来るべき沙織や星矢達の戦いのため私財を惜しみなく投じて鋼鉄聖闘士の組織といった支援の体制を整えるなど、財力や権力に奢らず、正義と平和のために生きた高潔な人格者として描かれており、星矢達も「立派な人だった」と敬意を表している。

辰巳徳丸

辰巳徳丸

城戸光政の時代から城戸家に仕える執事。唯一、光政より沙織の真実を伝えられ、ボディガードおよび社会的にサポートする命を受ける。城戸家への忠誠心ゆえ、当初は反抗的な星矢達に対し冷酷に接することも多かったが、星矢たちが聖闘士の宿命を受け入れ沙織の元で戦うようになってからは、お互いのわだかまりも氷解し、彼等の活躍を支えるようになった。かつて幼い一輝の前にうろたえたように気の小さい一面もあり、拷問に遭って口を割らされ、沙織たちの危機を招いたこともある。剣道三段の腕前であり、十二宮編で雑兵を1人倒したことがある。

星華

星華

星矢の実の姉で、共に孤児院の星の子学園で育った。星矢がギリシアへ送られたと同時に学園を去り、星矢の後を追ってギリシアに向かうが、聖域付近の険しい山中にて転落事故で記憶を失ってしまい、自分が誰かも、実弟の星矢がすぐ近くにいることも知らぬまま、聖域近くのロドリオ村で保護してくれた雑貨店を営む老人と共に暮らしていた。魔鈴の捜索により発見され、星矢の姉を想う叫びにより記憶を取り戻し、ハーデス軍に苦戦する星矢たちの勝利を信じ続けた。

鷲星座の魔鈴

魔鈴

星矢の師匠。星矢と同じ日本人という理由から彼の指導を任され、6年に亘る過酷な修行で星矢を聖闘士へ導いた。原作ではスパルタ教育を星矢に施し、修練時には自身は聖衣を纏って指導するほどだった。

白銀聖闘士編では私闘(銀河戦争)を繰り広げた星矢たち青銅聖闘士の抹殺のため、ミスティたちを率いて来日した。聖域に邪悪が潜んでいること、城戸沙織がアテナであることをいち早く見抜くなど、洞察力に長けている。

白銀聖闘士の中でも相当の実力者で、特に素早さにかけては群を抜いている。他の白銀聖闘士に幻覚を見せ星矢を倒したように思い込ませる空拳の使用、関節を外して束縛から脱出、サトリの法を使うアステリオンに対し無心となって勝利するなど、あらゆる戦局に柔軟に対応できる。白銀聖闘士戦の最中、星矢たちにアテナを守るよう教えた。

自身は聖域のスターヒルに潜入して教皇の遺体を発見し、教皇がすり替わっている事実を突き止める。直接の共闘はほとんどないが、常に星矢たちをサポートし続けた。

星矢の実姉・星華を捜し続けており、聖域近隣のロドリオ村で星華を発見した。

魔鈴自身も日本人という以外に素性が一切知られておらず、日本人でありながら消息不明の弟を探して聖域に来たという事情から、アステリオンたちからは魔鈴が星矢の姉と疑われていた。星矢自身からも姉ではないかと思われていた が、星華本人が現れたことで別人と判明した。

シャイナ

シャイナ

天馬星座の聖衣を星矢と争ったカシオスの師匠。非常に気が強く、魔鈴とはライバル関係にあり実力は伯仲している。戦闘力は数少ない女聖闘士の中でも男顔負けといわれる。得意技のサンダークロウは蛇の毒牙に例えられる爪を繰り出し電撃のような衝撃を与えるものである。

白銀聖闘士編では青銅聖闘士たちの私闘(銀河戦争)の開催場であるグラードコロッセオ破壊のため、アルゴルたちを率いて来日したが、後に沙織をアテナと見抜き、射手座の黄金聖衣が本物だと知った教皇により、沙織の拉致と黄金聖衣の奪回をも命じられる。

弟子のカシオスが敗れたこともあって星矢に敵意を抱き、命を執拗に狙い幾度となく襲い掛かった。最終的には星矢に素顔を見られたことで、掟により星矢を殺すか愛するかという選択を迫られ、やがて愛するようになる。アイオリアの拳から星矢をかばって傷ついた際に、愛を告白した。仮面に隠された素顔はかなりの美少女である。

厳しい訓練の後、魔鈴と戦い一度は打ち負かし、執拗に攻撃を加えて魔鈴を殺そうとしたところをアイオリアに止められる。星矢への愛を自覚した後は彼ら青銅聖闘士を支援し、ライバルであった魔鈴とも女同士の友情を結ぶようになる。

聖闘士の階級

青銅聖闘士

青銅聖闘士

青銅聖衣を身に纏う最下級の聖闘士。総数は48人。基本的には白銀聖闘士の補助が任務であるが、音速以上の拳を持つなど、その実力は常人を遥かに凌駕している。一般的な青銅聖闘士の打撃速度はマッハ1(1秒間に約100発)。

白銀聖闘士

白銀聖闘士

基本的体術を習得した中級の聖闘士で、白銀聖衣を身に纏う聖闘士の代名詞たる存在。総勢は24名。勅命により聖域を離れ動くのは白銀聖闘士であり聖域12宮を守護し聖域から離れることができないとされる黄金聖闘士に変わって聖域外にて活動する実践部隊。同時にその実力によっては青銅聖闘士の育成 も行う、青銅聖衣は白銀聖闘士の後方支援などサポートを行う存在。

一般的な白銀聖闘士の打撃速度は、マッハ2〜5程。その力は青銅聖闘士を遥かに上回り、実力差は天と地、神と虫ケラほども違うと形容されている。白銀聖闘士の多くは、格下の星矢たち青銅聖闘士に倒されているが、あくまで星矢たちが特別な存在であるためだという。、黄金聖闘士に匹敵する実力を持つとされる者も存在する。

黄金聖闘士

黄金聖闘士

ギリシアに存在する聖域において、アテナ神殿へ至る唯一の道である神殿、十二宮を守護する12人の最上級聖闘士及びその称号。全員が黄金聖衣を身に纏い、第七感であるセブンセンシズに目覚め、光速の拳を繰り出す。また、魂を操る、人間の感覚を剥奪する、銀河を砕くなど、人知を超越した闘技の使い手も多い。

黄金聖闘士同士の戦いは実力が拮抗しているため、千日戦争と呼ばれる膠着状態に陥るか、双方消滅するかのどちらかになると言われる。白銀聖闘士とは異なり、聖戦を始めとするよほどの非常事態でなければ活動することはなく、黄金聖闘士同士が顔を合わせること自体、非常に稀であるという。12人の誕生日の星座は自身の守護星座と一致している。

暗黒聖闘士

正義であるべき聖闘士の力を私利私欲のために使う悪の集団。聖闘士の力を表面だけ体得し称号を与えられなかった者や、掟に反した振る舞いによって聖闘士の称号を剥奪された者である。黒い防具暗黒聖衣を身に纏う。その存在はアテナからも見放され、他の聖闘士たちからも忌み嫌われている。太平洋上に浮かぶフェニックス諸島デスクィーン島を本拠地とする。

海闘士

海闘士

海皇ポセイドンを守る海の闘士たち。海皇が創造したとされる生物を模した防具鱗衣を纏い、その生物の名を称号とする。聖闘士が修行によって能力・資格を得るのに対し、海闘士はすでに資質を持っている者が鱗衣に選ばれるため、修行は存在しない。

ただし、カノンやアイザックのように聖闘士の修行を積むことで海闘士としての戦闘能力を備えた者や、クリシュナのように神話の闘士とは異なる形で能力を得た者も存在する。本項で述べる主要な海闘士以外にも多数の雑兵がおり、その戦力は青銅聖闘士と互角といわれる。また聖闘士と異なり武具の使用を禁じられていないため、クリシュナや雑兵など、武具を使う海闘士もいる。

冥闘士

冥闘士

冥王ハーデスを守る108人の闘士。魔獣、悪霊、精霊、動物の姿をした鎧冥衣を纏い、その冥衣のモチーフと各自の宿星である魔星の名を称号とする。冥界の戦士であるが亡者(死人)では無く、生きた人間に魔星が宿命付けられた者達であるため、現世においても活動可能である。大多数は誇り高い戦士であり、見込んだ相手との一騎打ちのために仲間の手出しを制止する事もしばしばあった。

ハーデス軍正規の冥闘士の他にも、死した聖闘士などの人間にハーデスが仮初めの命と肉体を与え、冥闘士として操ることができる。この方法で復活した人間は、定められた時間が過ぎるか、日の光を浴びると塵となって消え失せる。またハーデスの意思に背けばいつでも消し去られてしまう。

本作品の重要ワード

聖闘士 (セイント)

聖闘士

この世には邪悪がはびこるとき、必ずや現れるといわれる希望の存在。女神アテナを守るために戦う闘士たちの総称。アテナに仕えることから「アテナの聖闘士」ともいう。その存在は俗人には伝説とされ「その拳は空を裂き、その蹴りは大地を割る」と言い伝えられる超人的な能力を有している。

自己の実力の及ばないところを天佑によって補うため、それぞれが天空の星座を守護に持つ。88の星座それぞれに対応し、88人の聖闘士が存在する。彼等は自分の守護星座を称号としており、その称号の下に聖闘士それぞれの名が呼ばれる。守護星座は、星座の形がそのまま自らの急所「星命点」となるなど、聖闘士の運命にも大きく影響をおよぼす。

聖闘士を志す者は、上級聖闘士などのもとで数年間の修行を経た後、その実力と守護星の導きに応じて、聖闘士の証である聖衣(クロス)と呼ばれる鎧を与えられる。聖闘士はその聖衣の種別(後述)に応じて黄金聖闘士(ゴールドセイント)、白銀聖闘士(シルバーセイント)、青銅聖闘士(ブロンズセイント)の3階級に分けられる。

そのさらに下位には、聖衣を持たない雑兵がいるが、彼らも聖闘士と呼ばれることがある。88人の内訳は黄金12人(黄道十二星座に対応)、白銀24人、青銅48人とされるが、総数が揃うことはありえず、常にいくつかの聖衣が所有者不在となっている。おおむね拳速がマッハ1前後のものが青銅、2 – 5で白銀、光速が黄金の標準的な実力である。

アテナが武器を嫌い、それを持って戦うことを禁じているため、聖闘士となる者は修行で己の肉体を極限まで鍛え、原子を砕くという破壊の究極を身に付けている。アンドロメダ星座の星雲鎖(ネビュラチェーン)や地獄の番犬星座の鋼球鎖、御者星座の円盤(ソーサー)など武器のような装備品を持つ聖衣もあるが、これらはあくまで下級聖闘士が上級聖闘士の任務を補助するため、もしくは自身の拳を振るう前の牽制用の装備品として位置づけられている。

「聖闘士に同じ技は二度と通用しない」といわれ、一撃目はなすすべもなくやられた強力な技に対しても、二度目は見切ることも可能。ただしあまりにも実力差がある場合、例外的なケースもある。

本来、聖闘士は女神であるアテナを守護する少年達という意味合いから、男性しかなることが出来ない。女性が聖闘士となる場合は、女であることを捨てて常に仮面を被る必要がある。女性聖闘士にとって素顔を見られることは、裸を見られるよりも屈辱であり、素顔を見られた場合、その人間を愛するか殺すという2つの条件が課せられる

聖衣(クロス)

聖闘士が身にまとう防具。各々の守護星座の形を象ったオブジェ形態から分解・変形して、聖闘士の身体を包む防具になる。装着者である聖闘士に闘争心がないなど小宇宙が低いときにはただの重い防具に過ぎないが、小宇宙の高まりに応じて軽くなり攻撃力が増す。

聖衣は階級別に青銅聖衣(ブロンズクロス)、白銀聖衣(シルバークロス)、黄金聖衣(ゴールドクロス)の3種類がある。黄金聖闘士の血を浴びた聖衣は、纏う聖闘士が小宇宙(コスモ)をセブンセンシズまで高めることによって、形状は元の聖衣のままで、黄金色に輝き硬度が増した状態の「黄金聖衣に限りなく近い聖衣」となる場合がある。

さらにアテナの血を浴びることで「最強最後の聖衣」となり、ハーデスの結界による弱体化の影響を受けず、神々しか通行できない超次元の移動が可能となる、神聖衣(ゴッドクロス、後述)へ進化するといった特別な能力を発揮する。

なお、非装着時は聖衣箱と呼ばれる専用の箱に収納されている。私利私欲による戦闘での聖衣の装着は厳禁とされ、その禁を破った聖闘士には災いが起こるという。アテナや教皇の許可を得た時のみ装着することが出来るが、自身の身が危ない時に自己防衛のための装着は許されている。

また聖衣は聖闘士としての正装でもあり、アテナや教皇に直接面通しする際には装着する。聖衣には生命があり、少しの破損なら自己修復できる。しかし、それができないほど激しく破損した場合は修復技術を持った者による修復が必要であり、長い間装着者が不在する期間が続くと死んでしまうこともある。死にかけた聖衣を復活させるためには、大量の聖闘士の血液が必須。

聖衣は元々アテナが第一次聖戦時に海闘士(マリーナ)が纏う鱗衣(スケイル)に対抗して、天空の星座を設計図としてムー大陸の錬金術師たちによって作られたもの。材料はオリハルコン、ガマニオン、銀星砂(スターダストサンド)を用いる。

しかし、ムー大陸が沈没した際に、聖衣の制作・修復技術はほとんど失われてしまい、聖衣を修復できるのは牡羊座の黄金聖闘士ムウだけとなった。冥王ハーデスとの戦いで彼が戦死した後は、城戸沙織の命を受けたグラード財団の誰かが修復を引き継いでいる。

小宇宙(コスモ)

小宇宙

体内に存在する宇宙的エネルギーのこと。登場する闘士たちは、これを燃焼させて繰り出す闘法を使用し、拳で空を引き裂き、蹴りで大地を割るほどの威力を誇る。ただし聖闘士の肉体は生身の人間と変わらないため、これを補うために各闘士は聖衣などのプロテクターを纏う。小宇宙は主に精神力・集中力などに比例・呼応して高まるため、六感(五感 + 第六感)のいずれかを意図的に封じるなどして助力とし、爆発的に小宇宙を増大することもできる。

0

コメント

タイトルとURLをコピーしました