DR.SLUMP 1

ギャグ漫画

ジャンル: 少年漫画・SF漫画・ギャグ漫画

作者: 鳥山明

出版社: 集英社

発表号: 1980年5・6合併号 – 1984年39号


あらすじ

ペンギン村に住む発明家、則巻千兵衛が作った女の子タイプの人間型ロボット、則巻アラレのハチャメチャな日常を描いたギャグ漫画です。基本は1話完結型だが、千兵衛とみどりの新婚旅行や、運動会の話など複数回に渡って続く時もあります。

アラレと千兵衛

当初は則巻千兵衛を主人公として毎回発明品で失敗する、という方向性のストーリーであったが、担当編集者の鳥嶋和彦の強い主張により、アラレを主人公に据えて展開されました。

世界観

年月

ペンギン村では日付の月の部分は通常の「XX月」の代わりに、魚などの水棲生物の名前を使用しています。

年については、本作中では連載時の現実の世界にあわせた西暦が使用されています。作中の季節は掲載当時にあわせてあり、現実にあわせて夏休みやクリスマスなどの話も描かれました。

ペンギン村

作中の時間経過は現実にあわせてあり、千兵衛の年齢は連載当初では28歳だったが終盤では33歳になっています。また、アラレたちも進級し、終盤では高校生だったタロウが就職したり、アラレやあかねが自動車の免許を取る話もあります。

地理

作中では何度もド田舎であることが強調されており、風景は山々や地平線ばかりがのぞき、民家もなだらかな平地や丘陵にまばらにしか存在しません。

海岸には灯台もあり、村には蒸気機関車も走っています。ペンギン村で一番高い山・イチニーノ山ではサンタクロースが弟子の八龍に修行をつけています。レストランはペンギン村の衆にとってあこがれの存在で、
ペンギン村では9千円あったら自動車が買えてしまいます。村の中学生たちは、地下鉄やエスカレーターも知りません。

動物や昆虫の名前が付いた村や町や地名が多いです。高校も、ゲンゴロウ島にはペンギン村村立高等園以外に、アラレに一目惚れした番長が通っているカナリヤ高校もあります。

地球

基本的には現実世界の地球と同じ設定で、作中でも複数の国が描かれています。日本、中華人民共和国、エジプト、ニューヨーク、スイス、フランス、ナイル川、ナナバ王国、チャカボ王国、オーサム地方、北極、
南極など、実在の国と架空の土地が入り混じって色々と登場しています。

日本ではメインの舞台となるゲンゴロウ島の他に、日本本土で名古屋も登場しており、マシリトは千葉の地名も口にしています。

ペンギン村

ゲンゴロウ島にある村で、本作の主な話の舞台です。日本国内となっており、ゲンゴロウ島は日本列島近海にある島とされているため、中国人の摘一家なども、ペンギン村の住人を日本人と言っています。

生徒が少ないため、学校は一クラスのみであり、入学試験などもなく、作中では何度もド田舎であることが強調されています。

乗り物に乗るメンバー

ペンギン村にある自動車学校で免許を取ることは、異様なほど簡単です。ラジコンを運転する技量があれば免許を取ることが可能です。

キャラクター

人間とともに、人語を話し二足歩行する動物も、数多く在住し、人間と同等の権利を有しています。その一方で人語を話さず二足歩行しない動物も棲息しています。架空の動物や怪獣の類いも数多く在住、あるいは棲息し、モブキャラクターにはモビルスーツなどもおり、かなり混沌とした状況となっています。

鳥山が愛知県清洲町(現・清須市)出身ということもあり、その地域で使われる方言の名古屋弁が作中で多用されています。住民の気質は総じてのんきで大らかであり、細かいことは気にしない人々ばかりです。作中でも身代金目的の誘拐や、銀行強盗などの凶悪犯罪が何件か発生しています。

キャラクター

怪獣が暴れたときにはウルチョラ警察隊が応戦することもあるが、隊員が乗っている戦闘機の武器は投石だけです。家賃が払えなくて追い出されたヤクザが、となり村からペンギン村に初めて現れたときには珍しがって、大勢の村民の前で壇上に昇らせました。

第2回ペンギングランプリでアラレが村長になる前は、眼鏡をかけたペンギンが村長でした。村は平和でのんびりとしているようにも見えるが、アホしかいないだけに犯罪件数も決して少なくはないと、治安の悪さを物語るエピソードが存在します。

イベント

ペンギン村グランプリ

第1回
連載80周年(ギャグであり実際は80周年まで78年と2ヶ月)を記念して開いた大会で、賞金3千円をかけて、4つの難関、池→崖→雪山→地雷地帯を越えてペンギン村を一周するというもの。

結果
優勝:鳥山明、スッパマン
鳥山もスッパマンも、空から実況のふりをして参戦というインチキをしたため、その後ペンギン村の人々から追い回されました。

ペンギン村グランプリ

第2回
鳥山にネタを相談されたペンギン村村長が、南極に引っ越したいので優勝者に次期村長を引き継ぐとして開催しました。村長は村内の施設をすべて無料で使える特権があります。

ルール
基本はオートバイレースだが、地上を走る二輪車なら何でもよく、
ジェット推進バイク、自転車、リヤカー、ケリンチョなども可能です。

極端な話、タイヤ2本を背負って走っても良いです。
予選としてペンギン・サーキットを1周してタイムを競い、上位10名が本選出場となります。

本選はA(問題を解き、不正解の場合1分間停車する)→B(ウンチを触る)→C(むっつりじいさんを笑わす)→D(池を渡る。水陸両用ではない場合、船吉のイカダに乗る)→E(借り物競走)の順にチェックポイントを回り、それらの間はどんなコースを通ってもいい。

結果
優勝:則巻アラレチーム(則巻アラレ、ガジラ2名。E地点からオボッチャマン合流)
準優勝:摘突詰

ハイスクールチャンピオン

1年、2年、3年の学年対抗のペンギン村立高等学園の運動会で、実況は教頭、解説は校長、審査員はブータレブー。得点は、各種目、1位:20点、2位:10点、ビリ:0点となっている。種目は、100メートル競走
、走高跳、ハンマー投(競技用ハンマーではなく50kgの工具を投げる)、つなひき、ハードル、タマ入れ
(タマという名の猫たちを投げ入れる)、走幅跳、800メートルリレー、格闘技大会の順で行われた。

つなひきとタマ入れ以外は1人4種目までしか出場できません。最後の格闘技大会は、1年と2年で対決し、勝った方が3年と対決する。格闘技大会で優勝したチームには特別に200点が与えられ、よほど圧倒的な差がつかない限り格闘技大会の優勝が運動会の優勝になります。

結果
2年は最後まで0点(全種目ビリ)、1年と3年
は一進一退が続き同点の状態で格闘技決勝を迎えたが、熱戦の末に時間切れで判定に持ち込まれました

優勝:となり村のベティ
競技の経過を無視して私情で選手ではない者を選んだため、ブータレブーは選手たちに追い回されました。

大高校野球大会

4回続いた話で、ペンギン村立高等学園と大都会島アメリカンハイスクールとの大高校野球大会
。実況は暗悪健太だが、今回はスッパマンにはならず仕事に徹しました。

結果
勝者:ペンギン村立高等学園

主な発明品

発明

ロボビタンA(エー)

アラレとオボッチャマンの燃料。原料は海水。人間が飲んでも不味い。

非生命体透過メガネ

衣服や地面、建造物、ロボットなど、生物(動物・植物)以外のものがすべて見えなくなる眼鏡。アラレに欠けている体の部位をせがまれたことを口実に、女性の裸を見る目的で製作しました。みどりの裸を正面から見ようとした際、乗っているスクーターが見えずに轢かれて壊れました。

タイムスリッパー

置き時計に口と手足の付いた「タイムくん」と「ツンツル板」から構成されたタイムマシン。タイムくんとツンツル板を接続してダイヤルで年数を指定後、タイムくんの頭上のレバーを操作し、タイムくんがツンツル板の上で「タ〜イムスリップ!」の掛け声と共にダッシュしながらスリップすることによりタイムスリップができます。何度か日もしくは時間単位で移動しています。場所の指定ができるかは不明です。

変身ポンポコガン

タヌキの顔を模した光線銃形のメカ。対象者に向かってマイクで変身させたい物を叫んでトリガーボタンを押すと、先端の球から変身光線が出て、対象者の姿をその物に変えることができます。元に戻すときは「元に戻れ!」と言い、自宅が破壊されたときもこの機能で復元させています。何かを変身させた時にポンポコガンが壊れてしまうと、修理または新たに製作しない限り元に戻せません。

ホンモノマシーン

手足と顔がついた大型炊飯器の形をしたメカ。写真や絵などをこの中に入れてお湯を注ぎ蓋をし、ロックバンド「ザ・マヨネーズ」の音楽に合わせてダンスを踊りだします。一仕切り踊ると沸騰音が鳴り、中から写真や絵の中の物が実体化して現れます。宇宙の写真を入れたら、使用した部屋が宇宙空間のようになりました。

透明人間になる薬

内服薬なので衣類は透明にならないが、千兵衛はパンツを脱がなかったために宙に浮きましたパンツとして追い回された挙句、ポリーに飛びかかろうとした際に信号無視して車にはねられました。

おとぎマシーン

シルクハットを被り、厚い眼鏡をかけた小型のマシーンで、マシーンが「本に入りゃ!」と言って持つ傘から放つ光線を浴びると、本の中の世界に入ることができます。入った人物の行動によっては、本の内容が変わってしまうこともある模様です。本に入った人物を出すときはマシーンが「本から出や!」と言っているが、状況によっては本の登場人物が一緒に出たり、入っていた人物の一部が本の中に取り残されたりすることもあります。スケベ本の中に入るために製作しました。

宇宙船

個別の名称がないので便宜上製作順に「○号機」と呼称します。1号機と4号機は大気圏突破や現実の宇宙船を遥かに超えた高速飛行が可能です。

オーチャくん

乗り込んだ者の思ったことを何でもやってくれるパワードスーツ型のマシンです。アラレいわく「カニロボット」。名前の由来は「横着」からで、使いすぎると不潔かつ運動不足になります。アラレの家事能力の無さに嘆いて製作しました。

コピーくん

巨大なカメラに手足が付いたロボットで人物の分身を作ることができる。被写体をピントに合わせ、フラッシュを焚いて撮影しました。直後に後方カバーが上に開き、中から分身が飛び出します。ただし、分身もやりたいことは本体と同じで喧嘩になり、ブッキング対策としては役に立ちませんでした。フラッシュを一回につき連続して焚くことにより一度に分身を数多く作ることもできます。

時間よ止まれマシーン

大掛かりな時間停止装置です。操作者自身も停止してしまう欠陥品で、停止後にどうやって復帰したのかは作中でも謎とされています。

若返り薬

材料(牛乳200cc、ミミズの目玉3個〈アニメ第2作 5個〉、梅干し3個、ガメラの卵2個、角砂糖1.5個〈アニメ第2作 2つ〉、塩大さじ1杯、オロビタンD〈架空のドリンク剤〉1本、ダチョウの卵2.5個〈アニメ第2作〉)をよくかき混ぜ弱火で約20分間煮詰めて冷蔵庫で(3時間〈アニメ第2作〉)冷やすと完成します。この材料で作った分量を飲み干した千兵衛は赤ん坊になります。当日の晩、赤ん坊の姿をいいことにみどりに甘えた後に眼前で急に元の姿に戻ったので、仰天したみどりに斧で頭を割られました。

みにちゅあわが家

則巻家のミニチュアです。このミニチュアに起こった出来事が、指定した時間後に(0の場合は直ちに)本当に起きる(例えば、ミニチュアの屋根に指を突き刺すと、本物の屋根も巨大な指に突き破られる)。特定人物のミニチュアを作って操作することで、本人に影響を及ぼすことも可能です。みどりのパンツを見てさらにキスをするために製作しました。原理は謎とされています。

変身コンコンヘルメット

葉っぱに変身したいものの名を書き、その葉っぱを頭に挟んでこれをかぶり宙返りをすると変身できます。みどりに悪戯をするつもりで別の女性を触ってしまい、痴漢で逮捕されることを恐れて慌てて作りました。意思と発声能力も持っており自分の説明をします。この後アラレたちによって持って行かれ、このヘルメットによってペンギン村はパニックに陥ります。

タイムストップウォッチ

製作目的はみどりのパンツを15センチ間近で見ること。使用者の時間だけが止まらずに進んでいくため、
乱用するとどんどん歳を取っていきます。千兵衛の設計では作動せず、ターボがこっそり設計図を書き直して完成しました。

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