タッチ 2

青春漫画

ジャンル 野球漫画・ラブコメ

作者: あだち充

出版社: 小学館

掲載誌: 週刊少年サンデー

発表期間: 1981年8月5日 – 1986年11月12日


主要登場人物 続き

明青学園野球部

松平 孝太郎

松平

正捕手。身長178cm、体重92kg。獅子座のA型。アンコ型の体格で強肩・強打の4番バッター。先輩の黒木たちの代が引退してからはキャプテンを務めます。中学時代から和也とバッテリーを組んでいたが、高校1年の夏に和也が他界してからは、その後野球部に入部した達也とバッテリーを組みます。

お調子者でお人好しな性格です。特に南に対しては甘いところがあります。和也に対しては、単なるバッテリーを超えた親友として全幅の信頼を置いていました。一方で達也に対しては中等部時代から馬が合いません。

和也の死後、代わりとばかりに達也が黒木の意向で野球部に入部したことに真っ向から反発しました。達也に対し冷たい態度を取り続け、当初は喧嘩が絶えませんでしたが、野球部入部がきまぐれではなく本気とわかるにつれて徐々に心を開き、やがて文字通りの「相棒」となっていきました。

能力は高く、扱いの難しい荒れ球・速球の投手である達也に手を焼くうちに捕手として順調に成長を遂げていきます。柏葉英二郎が監督代行となり南が野球部マネージャーを下ろされてからは、文字通り女房役として達也を支えていくと同時にキャプテンとして様々な問題を抱えた明青野球部を牽引します。

亡くなった和也に対する思い入れは別格で、達也がどれほどの実力をつけても決して比較することはしませんでした。

柏葉 英二郎

柏葉

OBであり、病気療養となった西尾の代理監督です。五分刈りの頭髪に口ヒゲ、サングラス、練習中は常に竹刀とビールを手放さず、指導者というよりはヤクザやチンピラといった風体をしています。

中学時代に野球部に在籍して、高校の野球部の予選大会に出場していた英一郎のバイク事故を代わりに英二郎が起こしたことにされて退部させられています。当時英二郎が好きだった女性は英一郎の妻になっています。

そうした経緯から自暴自棄な性格となり、明青野球部に恨みを持っています。恨みを晴らすために達也ら現野球部員に過酷な練習を課します。眼に病を抱えています。

達也らが高等部3年時の春、過労で倒れた西尾の推挙により代理監督に就任します。しかし3歳年上の柏葉英一郎氏と間違えられて赴任しました。

しかし、西村のカーブを見切ったり、達也と対戦した際には見事なバッティングやピッチングを見せるなど、現在でも野球選手としては確かな技術と才能を誇ります。

また部員に課した過酷な練習は、かつて自分を冷遇した野球部への復讐という目的があったものの、野球に対する情熱の屈折した表れでもあり、結果的には部員たちの飛躍的な成長を促すこととなりました。

眼の病状が進んで意識が変わり、部員達が厳しい指導に良くついて行っているので手ごたえを感じて、指導者としての自覚が芽生えてきます。須見工業戦では、選手の特徴を把握し相手の隙をつく見事な采配を終盤で見せ、勝利に導きました。

新田 由加(にった ゆか)

新田由加

新田明男の妹。上杉ら3年生時の1年生マネージャー。初登場時は中学3年生。ポニーテールが似合う美少女ではあるが、かなり気が強く、合気道2段の心得があるためケンカも強いです。達也に惚れており、南を恋敵として強烈なライバル心を燃やしています。男子には人気があるが、人の輪を乱すことをいとわない性格のため南と違って女子からの評判はすこぶる悪いです。

それまではカッコいい実兄以外は男として見ることができなかったのですが、明男がライバルと認める達也に興味を持って近づくうち、川で溺れかけていたところをランニングで通りかかった達也に助けられたことがきっかけで恋心を抱くようになります。

達也を慕って明青学園高等部に入学します。野球部マネージャーとなります。柏葉英二郎が明青野球部の監督代行となり南がマネージャーを下ろされてからは、唯一のマネージャーとして機敏に取り計らい、猛烈な柏葉のシゴキを緩和させる要領の良さも見せました。

料理はあまり上手くありません。気が強く、中学時は兄・明男以外の人物には不遜な態度で接していました。当初は達也も例外ではなかったが、明青学園に入学してからは一変して甘えた態度で積極的なアプローチを計っています。

南に対しては達也をめぐる恋敵としてことあるごとに挑発的な態度を取っています。しかし繊細な感じやすい一面も持っています。

このような健気な一面に加えて茶目っ気もあるため、達也にとっては扱いにくいけど可愛くも感じています。南にとっては、良きケンカ友達です。他の男子生徒たちからはモテています。

佐々木(ささき)

達也が3年のときに、1年生として野球部に入部します。入部動機は人並みのキャッチボールすらできない自分を変えるためでした。学級委員長で成績も優秀です。眼鏡をかけており、試合中でも外しません。運動神経はほとんどないが、佐々木以外の1年生部員は柏葉の猛練習に耐えられずに退部したのに対し、佐々木は唯一残った部員です。

先抜の投手として公式戦に出場したときに、相手にボコボコ打たれて降板しています。その後、怪我により戦線を離れてマネージャーの活動をしています。敵の情報収集も行っていて、監督の良い采配にもつなげています。由加に好意を持っています。

西尾 茂則(にしお しげのり)

監督で佐知子の父親です。温和で選手の希望を優先して采配を振るう、好人物だが凡庸な監督です。学校の好意で長く監督を続けており、10年以上前の卒業生である柏葉兄弟も教え子に当たるが、柏葉兄弟の確執や英二郎への陰湿なイジメを見抜けず、事実を知った際にはそのことを悔いています。

入院後、監督代行を兄の英一郎と勘違いして英二郎に依頼します。甲子園の予選の途中で、勘違いに気付きますが、勝ち上がるために英二郎の能力が必要と判断して続行させます。

須見工の監督である上村とは同い年で、高校・大学と一緒だった同窓生でもあります。現役時代はレギュラーを逃しています。

黒木 武(くろき たけし)

主将。和也が入部するまではエースで4番だったが、和也と対戦した際に力の差を悟り、和也の入部を待たずにサードへ転向します。和也らが入学した当時から2年生ながらキャプテンの片桐を差し置いてチームを牽引していました。

達也については、当初は能力を疑問視していましたが和也の死後、達也が投じた驚異的な速球から和也に通じる天才性を感じ取り、ボクシング部から達也を引き抜きます。

明青学園へは高等部からの入学で、中等部からの進学者ではありません。中学時代に西尾監督から必死に明青学園入学を口説かれてのものですが、その決断の陰には西尾佐知子の存在が噂されています。

吉田 剛(よしだ たけし)

上杉達也に憧れ、1年途中から明青学園高等部野球部に入部します。達也のストレート、そして西村勇のカーブを模倣した投球を身につけます。

達也の弟分的な好青年であったが、達也の模倣を徹底しているうちにめきめきと成長します。そして新田明男との一打席勝負で新田に勝利したことをきっかけに自分に自信を持つようになり、それからは振る舞いが急変します。丁寧語だった口調が荒っぽくなり、人を見下す態度をとるようになりました。

須見工との練習試合では二巡目までほぼ完璧に抑え、5イニング無失点でした。エースの座を達也から奪うべく「エース決定戦」を監督に申し込み、日程まで決定したがその矢先に両親の都合で海外へ転校し、3年夏の都大会3回戦で佐田商の投手として再登場します。弱小校の佐田商を自身のワンマンで勝たせており、他のチームメイトを完全に見下しています。

明青の打者たちのクセを知っていることもあって二巡目まで完全試合に抑えられます。しかし成長した明青打線に三巡目で捕えられたことで動揺してしまい打ち崩され、8回コールド負けを喫します。

自信の無さは自分は達也を追いかけているだけというの劣等感から来るものであり、追い込まれたことでその元々の性根が露呈し、結果打ち崩されてしまいました。西尾も明青在籍中から自分の弱さと向き合って成長するタイプではないと見抜いており、西村にも精神力の無さを酷評されるが、新田からは達也の真似にしても昨年よりも成長していると一定の評価を受けます。

ボクシング部

原田 正平(はらだ しょうへい)

原田正平

ポーカーフェイスの巨漢です。達也たちの同級生であり、3年生時はボクシング部の主将をしました。父母と、空手をしている姉の4人家族です。

また、柏葉英二郎と中学高校で明青学園の同期であった叔父がいて、彼から聞いた英二郎と野球部の因縁を南に伝えています。南が野球部マネージャーになったことを知り、野球部入りを断念した達也をボクシング部へ入部させました。それが後々達也の運動能力が向上するきっかけにもなりました。

無骨で強面な見た目とは裏腹に、人物に対する冷静で鋭い洞察力を持っており、主人公たちの理解者的存在です。特に達也とはウマが合っていたようで、中学時代からよく一緒につるんでいました。達也の才能や心情をよく理解しています。

早い段階から南が達也のことを好きでいることを見抜いており、達也に舞台に上がるよう説得もしていましたが、実は和也の南への想いを知る達也が踏ん切りをつけかねていることも理解しています。

本人自身も密かに南に想いを寄せているが、達也・和也・南それぞれの心情をよく理解しているためか恋愛事からは一歩身を引き、傍観者に徹しています。

その強面のためかケンカを売られることが多く、周囲の人を巻き込むことがあります。また新田兄妹とは昔からの知り合いです。腕っ節の強さは達也や新田から「怪物」と評されるほど強いです。しかし酒には弱いです。おおらかでくよくよしなくて仲間を勇気づけるような性格です。

須見工業

新田 明男(にった あきお)

新田明男

4番打者。高校球界きっての逸材で、アイドル的な人気を誇る天才スラッガーです。会社経営者の長男であり、容姿端麗、冷静で温和な性格を持ち、学業の成績も優秀です。和也が他界してからの本作において、野球・南をめぐる恋愛面それぞれにおける達也の事実上最大のライバルです。妹は由加。

中学時代は不良グループに在籍し野球とは無縁な生活をしており、原田とはその当時からの知り合いです。当時野球部に誘われて、打者としてマウンドの和也と対戦していますが、完全に抑え込まれています。それが彼の初めての挫折で、和也と再戦するために本気で野球に取り掛かります。

そして高校1年夏の甲子園予選決勝を迎えるが、その当日の和也の事故死により再戦が叶いませんでした。その後高校2年次に些細な偶然から達也・南と知り合います。投手として未完成ながらも和也に匹敵する才能を達也に見出し、和也との再戦という望みを達也に託すようになります。

また南に対しては直接表に出さないものの恋愛感情を抱いており、南本人や達也を前にして度々思わせぶりな態度を取っています。達也自身も、恋愛のライバルとしても少なからず彼を意識しています。

達也を攻略するために、普段は猛特訓をしています。高校3年春の甲子園決勝戦では3ランでチームの全打点を挙げるも自身のエラーにより敗退、準優勝に終わります。また普段は温厚だが、勢南高校の西村の挑発的な発言に対しては凄みを見せ付けることもあります。

達也との勝負はお互いに勝ったり負けたりしています。卒業後はプロの道に進まず、親の経営する会社へ進む予定です。

勢南高校

西村 勇(にしむら いさみ)

西村

エースで4番打者。右投右打、変化の大きいカーブを武器とする変化球投手で、達也のライバルの1人です。新体操競技を始めてスターになった浅倉南に惚れ、南につきまといます。

新田明男と同じ時期に登場します。和也亡き後の達也の主要なライバルとなります。自信家で達也や新田には何かと挑発的な態度を取りますが、惚れている南に対しては一変して愛想が良くなるお調子者な一面があります。

三枚目的なキャラクター付けがされており、特に新田がからむ場面においてはコメディリリーフ的な扱いを受けることが多いです。いつもロードレーサータイプの自転車で移動しているがよく転びます。新田と南風で会ったときにはサインを貰っていました。

投手としての実力は本物で、2年次の春季大会ではノーヒットノーランを達成しています。ライバルからの偵察も拒まない上に、ライバルにアドバイスするという一面もあるが、怒りっぽい人です。達也とは2年次夏の甲子園地区予選で初対戦します。

途中から振り出した雨の中激しい投手戦を演じ、様々なアクシデントがあったものの、明青学園を下しています。しかし結果的に勝ったとはいえ、得意の内角高めのストレートにきた達也の剛速球には手が出せず悔しがっていました。新田も西村の実力を認めています。

柏葉に打つためのコツを教えられた達也と1打席のみの勝負をしたことがります。小学生の頃から変化球を投げ続けていたことで肘を悪くしており、3年次夏の甲子園地区予選はそれが祟って準々決勝で負けてしまい、達也との再戦はありませんでした。

達也とはライバルとして互いに認め合うようになっており、試合後達也の元を訪れ、激励と慰めの言葉を交わしました。上杉兄弟と同様に真っ向勝負するタイプで敬遠の描写はありません。

南の実家である喫茶『南風』や明青学園に顔を出したり、休日前には南に電話をかけるなど積極的なアプローチを図っていたが、南には全く関心を持たれていません。

勢南のマネージャーとは幼なじみで恋愛感情を持たれており、彼女の心の中や2人だけの間は「勇ちゃん」と呼ばれています。器量の悪い彼女に対して何度も「ブス」と罵るなどかなり酷い扱いをしていたが、準々決勝で敗れたのをきっかけに「素直」に彼女の想いを受け入れるようになり、決勝戦観戦の際に彼女を「ブス」と言った男達をボコボコにしてさえいます。

西条高校

寺島(てらしま)

和也が1年次の時の西条高校3年生でエースで4番です。和也の最大のライバル選手として描かれ、前年には明青相手にノーヒットノーランを達成しました。直前の春の甲子園選抜大会にも出場しベスト4へ進出しました。ナンバー1の「超高校級」左腕として全国でも名が通りプロ注目の的でした。剛腕で球質は速くて重いです。

相手との駆け引きも上手いです。その年の夏の大会でも地区ナンバー1の呼び声が高く、準々決勝まで全試合で完封勝利を収め、前年の明青との対戦を含め幾度かノーヒットノーランの経験はあるが完全試合の経験はありません。

準決勝の明青学園戦では和也の好投で多くの得点が望めないと踏んだ寺島はバントでの出塁から盗塁します。ツーアウトからのエンドランと一か八かの賭けに出て執念で得点し9回2死まで大記録である完全試合ペースで投げ進むも27人目の打者・三原に本塁打を打たれ、最後は和也にサヨナラ安打を浴びて敗退しました。敗戦後のインタビューで和也なら1年生で甲子園制覇も夢では無いと語ります。

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