県立海空高校野球部山下たろーくん 2

スポーツ漫画

ジャンル: 野球漫画

作者: こせきこうじ

出版社: 集英社

掲載誌: 週刊少年ジャンプ

掲載期間: 1986年44号 – 1990年32号


対戦高校

主要登場人物

私立山沼高等学校

海空と同地区にある私立校です。開校10年目の新しい高校であるがエリート校であり地域の優秀な人材が集まってきています。野球部は開校以来9年連続の地区優勝を果たし、その実力は全国的に有名です。

山沼高校戦

たまたま練習試合の帰りに海空の練習を見た事で海空の野球部を奮起させる原因を作ってしまい、当初の地区大会決勝でも海空を無名校と侮ったがために敗れてしまいました。それ以来、海空最大のライバルとなり、関東大会決勝、そして甲子園の決勝で再戦する事になります。学校の設備は照明、スタンドを設備した専用野球場、生徒用の寮が存在しています。

佐々木

投手、三塁手。背番号は1です。自他共に認める山沼のエースでその実力は超高校級と言われており、関東大会にプロのスカウトが駆けつけるほどのスター選手です。投手として海空との初対決時には、ストレートを目で追う事すらさせず、コントロールミスが1球も無かった程でした。

感情をあらわにせず静かに闘志を燃やすタイプで、いかなる時でも冷静沈着な態度を崩さず、ナインから絶大な信頼を得ています。打撃も非常に優秀であり、地区大会までの打率は7割五分と言う驚異的な成績を持ちます。

唯一の弱点は内角低目であり、県大会の江河原戦ではそこにつけ込まれて敗戦したが、ひそかに特訓を重ねて克服し、再戦時には場外本塁打を放ち、また完投勝利して雪辱を果たしました。海空に1度敗れてからは、他の部員同様、海空を最大のライバルとして認めていました。

長尾

背番号10の投手・二塁手です。地区大会の先発投手で、高い鼻が特徴です。練習試合の帰りに海空高校野球部のメンバーと出会って、そこで海空高校野球部員をおだてることをいったので、海空高校は山沼高校を意識するようになりました。

投手としての実力はかなりの物で、高目の速球を得意とする他、切れのいい変化球も操ります。プライドがかなり高く、佐々木をライバル視していています。しかし海空高校戦ではたろーや辰巳に打ち込まれて、途中降板しています。

その後はたろーの不屈の闘志に感化され、山沼にプライドをかなぐり捨ててでも勝利を目指す執念を浸透させました。佐々木を初め他のナインからもピンチの切り札として信頼されるほどに人間的にも成長を果たし、関東大会の海空戦では、決め球を打たれて動揺した近藤を叱咤するなど辰巳を感嘆させました。

打撃では内角高目を得意とし、関東大会ではひたすら得意コースが来るまでファウルで粘るバッティングでたろーを苦戦させました。打順は8番だったが、関東大会では3番でクリーンナップを担当しています。

近藤

背番号4番の投手、二塁手で打順は5番です。児童養護施設の出身で、補欠時代は施設の子供たちに自分は山沼のエースだと法螺をふいていましたが、関東大会で二塁手のレギュラーを手に入れ、海空戦では投手としてマウンドに上がります。

施設で妹のように可愛がっていた毬子の死を越え、法螺を現実にするため彼女との約束であるNO.1を目指します。決勝戦で初めて投手として海空に挑みました。

性格はかなり短気で調子に乗りやすいです。油断して相手を甘く見たり、決め球を打たれて動揺する面もあります。投手としては佐々木に引けを取らない速球を投げる他、変化球でカミソリシュートとフォークボールを操り海空を苦戦させました。

バッティングでも並はずれた選球眼で球種を見切り、弾力性のある筋肉でヒットを放ちます。また回転するボールの縫い目で球種を見分けられる程集中力も高いです。得意コースは内角低目のストレートです。ちなみに作中で海空打線と複数回対戦した唯一の投手です。

村西監督

山沼高校の監督、サングラスと口髭が特徴です。地区大会決勝ではサングラスを着用していたが、以後はかけなくなりました。地区大会時、海空をなめてかかり雑なバッティングをした1番打者を見て全員に連帯責任のランニングを命じるなど、勝負事には厳しいです。

試合で選手の病気療養中のいとことの思い出のボールを1球のみ使わせるようにしたり情に厚いところがある監督さんです。たろーや海空ナインに関してもその闘志と根性をいち早く認めており、無名校と侮る部員達に対し「甘く見るな」と地区大会の前から警告を促していました。私立北沢東高等学校の監督とは個人的に親しく、練習試合を受けています。

県立大潮商業高等学校

県下でも有数の実力校であり、山沼高校が完敗したこともあります。海空高校がチーム一丸で勝利したときは、かなりボロボロでした。レギュラーの9人ともかなりの実力者です。海空と対決したチーム中で、チビキャラが唯一いないチームです。また、監督の姿が描かれていない初めての対戦相手であるのも特徴です。

棟方(兄)

背番号1の投手、打順は5番。大潮商のエースで100年にひとりの超大物といわれています。中学時代のたろーの友人で、素質はあったが制球が悪いためにレギュラー落ちした際、その屈辱に耐えられず1度は野球から離れました。しかしたろーの姿に感化され復帰し、また課題の制球もたろーに頼まれて投げてみせたアンダースローの習得により克服しました。

そのためたろーを尊敬して「心の師」と公言しています。投球スタイルはアンダースローで絶妙のコントロールを駆使し、打たせて取る戦法を得意としています。ただ強敵に対してはオーバースローの剛速球でねじ伏せる投法も使い、さらにチェンジアップも織り交ぜ、先発と抑えの二役を1人でこなしてしまいます。

打撃でも安打製造機の異名を持ち、綿密なデータを基に分析、相手投手が投げた瞬間にボールの軌道・球種を頭の中に描くことができます。このため、際どいコースのボール球や、ストライクからボールになる誘い球などが全く通用しません。

また、試合中たろーが急にアンダースローで投げた時のように、データにない相手に対してもボールを寸前まで見てコース、球種を見極め瞬時に適応でき、高い完成度を誇るバッターです。

ナインの司令塔の役割も果たし、作戦はほとんど彼が考えています。バントエンドランなどの奇策も用いてきます。フェアプレー精神の持ち主でもあり、たろーが極度の疲労で足の痙攣を起こした時、公平に勝負するために鍼治療を施し一時的に復活させました。

東山

背番号3番一塁手。打順は4番。巨漢の主力選手です。棟方との名コンビでチームをまとめます。豪快なバッティングで安打の8割が長打です。試合中三塁へ滑り込んだ際、たろーと辰巳をまとめて軽々と吹っ飛ばしながら、本人はケロリとしています。

しかし9回裏の守備でファウルフライを追ってダイビングキャッチをした際、強烈な勢いで海空ベンチに突っ込んでしまい、辛うじてアウトにはなったものの負傷してしまいます。

実はたろーが背中を受け止めていたために助かったものであり、大事故に繋がりかねない状況でした。たろーのボロボロの身体を省みないフェアプレイ精神に感化され、審判の交代の勧めを拒否します。医務室で治療後も最後まで出場し続けました。

県立江河原高等学校

柄の悪い新設の男子校で野球部も楽しみながら試合をするタイプです。 その余裕ぶった態度は確かな実力に裏付けされており、リードされても次の回で追いつき逆転して勝利するのが特徴です。 県大会準決勝で山沼を打ち破り、決勝で海空と対戦します。後に関東大会の準決勝で山沼と再戦、延長14回の激闘の末、惜敗して甲子園出場を逃します。

吉田

2番・投手。1年生の左腕。作中最初のたろー以外のチビキャラです。性格は自信家かつ短気で高慢でひねくれ者で、先輩に対しても態度が大きいが北野の事は尊敬しています。投球スタイルは立ち上がりはコントロールが悪く四球・死球を連発するが、試合が進むにつれ球威・球速ともに別人のようになり、プレートの外側いっぱいを使ってストライクコースに投げ込む「対角線投法」を得意としています。反射神経がよくバッティングではウエストボールにも飛びついて安打にすることもできます。

甲子園出場直前、海空へ転入します。転入直後はそのひねくれぶりからナインの反発を買うが、やがて溶け込み、甲子園では初の先発投手を務めました。投手以外に捕手や三塁手も務めました。

たろー以外で唯一4番に座りました。北野の影響もあってか木製バットを使って「バットの芯とボールの芯」を合わせるバットコントロールを習得し、海空打線に厚みを持たせました。実力は高いが怪我をしてしまうことが極端に多く、五体満足な状態でプレイすることはあまりありませんでした。

北野

4番・一塁手。飄々としながらも絶対の自信とカリスマ性を持っています。吉田や大田原も頭が上がらず、たろーでさえも緊張した面持ちで接します。弾丸の様な鋭いライナーを打つ打撃スタイルであり、スタンドに突き刺さる特大のファウルは打つものの本塁打の描写はなく、中距離打者タイプです。口にくわえた楊枝がトレードマークで、本気になると楊枝が上を向く。その「隙のない打法」は佐々木でさえも吸い込まれるように打たれています。

北野

北沢東へ転入しての甲子園1回戦では、その打法をさらにパワーアップさせた「隙だらけの打法」で吉田やたろーを圧倒しました。なお右投げだが、なお吉田と北野のように親の都合などの理由以外で転校した場合、本来なら高野連の規定により、1年間公式戦には参加できていません。

私立南浦高校(茨城県代表)

私立高校で偏差値はあまり良くないと思われています。他の野球名門校の入学試験に落ちた、性格の問題でチームにとけ込めなかったなどの「あぶれ者」が多く、野球以外のスポーツの出身者もいます。声をかけてくれた鈴木監督への恩義から、チームの団結力や向上心は作中屈指です。また、海空の対戦校の中で唯一、チアガールの応援が描かれています。

池田

5番・遊撃手、投手。主将だがいい加減で時間にルーズ、試合でも遅刻しました。「情熱野球」が身上で、ナインに活気を与える太陽のような存在です。小柄な身体だが、豪快にフルスイングする打撃が特徴で、オジー・スミスばりの遊撃の守備もトップクラスです。

沢村の後のリリーフも務め、ベース手前でホップする「サンライズボール」の使い手です。相手の心理を巧みに操るピッチングで海空打線を翻弄したが、それゆえ冷静沈着で勝負勘に優れる須永を苦手としていました。作中、背番号が6だったり1だったりのミスがありました。

松岡

4番・三塁手、捕手。巨漢でバットを折りながらも球をスタンドに運ぶ怪力です。佐々木とは同じ中学校で、互角以上の才能を認められており、佐々木も「好敵手」と認めていました。学力はあまり高くなく山沼をはじめいくつかの高校の入学試験に落ち、街中でケンカに明け暮れていました。その後池田の紹介で南浦に野球推薦で入学します。気の良い面もあるが、通りすがりの女子生徒にセクハラをするなど、素行はあまり良くありません。

悪球打ちの松岡と呼ばれ、ど真ん中を苦手としていたが、海空戦では佐々木のフォームを再生するかのような打撃を繰り出し克服していました。池田とは犬猿の仲だが、バッテリーを組めば一変して阿吽の呼吸を見せます。

沢村

3番・投手。1年生。美男子であり、女子への人気は作中随一です。言葉遣いも非常に丁寧で、南浦ナインの中でもまるで色が違う存在です。心臓病のため、強豪高には進学出来ません。

絶妙なコントロールと鋭い速球を持ちます。対戦相手のデータを熱心に分析し、打たせて取るピッチングで関東大会1回戦ではノーヒットノーランを達成しています。

「サンライズボール」も池田に教わり投げることができるが、彼の体では著しく体力を消耗するため多投は出来なません。海空戦では自身の限界球数を超えるピッチングを見せ、大きな成長が描かれています。途中で池田にマウンドは譲ったが、外野手として最後までグラウンドに立ち続けました。

鈴木監督

「あぶれ者」に声をかけ、野球部を作り上げた功労者です。選手からは絶大な信頼と思慕を置かれてます。普段は温厚なただずまいであるが、池田の遅刻癖に関してはさすがに我慢ならないらしく、かなりの勢いで怒っていました。

試合の中で海空を強敵と認め、「これほどの壮絶な試合は初めてだ」という趣旨の発言をしています。また、たろーに関しても「沢村はまたひとりすばらしいライバルを得た」と評価していました。

中村に告げ(中村へ配慮し口にするのを避けていたが、実は前から自覚していた)、自身の夢すべてを託します。これが紀伊國ナインの結束力を強固にしました。

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