おぼっちゃまくん

ギャグ漫画

ジャンル ギャグ漫画、少年漫画、コメディ

作者 小林よしのり

出版社 小学館

掲載誌 月刊コロコロコミック

発表号 1986年5月号 – 1994年9月号


内容

本作品は日本屈指の大金持ちの御坊家の御曹司の御坊茶魔が主人公のギャグ漫画である。御坊家はお金持ちの常識を逸脱していて軍隊を持っていたりスペースシャトルを持っていたりします。馬車の代わりに亀の集団の上に乗って移動しています。茶魔をお助けする特殊な組織があります。茶魔は茶魔語と呼ばれる特別な言葉を使います。

おぼっちゃまくんと袋小路

嫌味な感覚をもった上流階級がさらに呆れるような金持ちを創作してやろうと作者が奮起して生まれたのが本作です。男性器や大便が多く登場するなど下ネタギャグがたっぷり含まれていたため、アニメ版は日本PTA全国協議会の「子供に見せたくない番組」では、常に上位でした。

茶魔語

本作の主人公「御坊茶魔」が発する特有の言語です。初期の頃は、「でしゅ」「ぶぁい」のような博多弁を幼く崩した言葉遣いや、「ともだちんこ」「いいなけつ」「ぜっこうもん」のような下ネタのかばん語を指していたが、一番メジャーなものは「おはヨーグルト」である。「こんにチワワ」「こんばんワイン」「そんなバナナ」「頭に北半球」「さいならっきょ」「ちが宇っ宙(うっちゅう)に」など、多彩な言葉遊びへと発展していった。

茶魔語

上記の言葉遊びとは異なり、「へぽーん」「むんな気持ち」「みんな感じ」など、自らの感情表現をボディランゲージ的に表す『おちゃま語』というのも存在します。

御坊家の所有物

御坊家はアメリカ合衆国大統領や旧ソ連の指導者にも影響力が強く、世界でも有数の大財閥ということで、庶民には思いつかない多くの物を所有しています。

お召し列車

天皇家のお召し列車を模した、御坊家専用列車。御坊家敷地内に駅があり、そこから出発します。柿野や沙麻代を連れて、伊勢志摩等に出かけました。

チャマンスカー

箱根の茶魔温泉に旅行するのに利用する御坊家専用お召し列車です。御坊家の地下にある駅を出発し、小田急線に乗り入れて箱根に向かいます。

便ツ

たまに茶魔が通学に使用する小型の自家用車です。座席が洋式便器型になっており、きばると前に進むようになっています。

巨大凧

ビル10階分の大きさがある遊覧飛行用の凧です。一番下にあるゴンドラを利用します。ただ巨大が故に風の影響を受けて宇宙に飛ばされることがあるため、非常用ヘルメットを常備しています。

底なし沼

御坊家の粗大ゴミはここに捨てられる。ボーイング747が丸ごと飲み込まれるほど大きいです。袋小路や貧保っちゃまがここに落ちて溺れそうになったことがあります。

巨大洋式トイレ

通常の何十倍もの大きさがある洋式便器が設置されたトイレでっす。フタの裏には亡き母・和貴子の写真が飾られています。茶魔は百畳敷きの和式トイレとを気分に応じて使い分けています。巨大であるが故に流す水の量も絶大で、たまに時空間のゆがみが発生します。

チャファリパーク

御坊家の敷地内に存在する巨大サファリパークです。

チャマーズランド

人工スキー場を有する遊園地です。

御坊軍

御坊家の護衛を任務とする私設軍隊です。陸・海・空の戦力に加え、「地底軍」という地中の部隊もあります。戦車や潜水艦、戦闘機(F/A-18)そして、地中を進むことができる戦車を保有しており、女性看護師から成る衛生隊もあります。ただし、茶魔が誘拐された際は、亀光から通報を受けたアメリカ海兵隊が帝国ホテルを強襲しました。

普段は御坊家及びそのコンツェルンの護衛任務に付いているが、父子喧嘩が勃発した際には亀光派と茶魔派に分裂して互いに激戦を繰り広げる事もありました。また、茶魔が不良グループに引き込まれた際には、対立する不良グループとの決闘に戦車を出動させて衛生隊ともども加勢しています。

地下牢

成績不振など素行不良を起こした茶魔を懲らしめるための牢獄です。だが、実際の地下牢とは異なり、牢屋の中にテレビやフルーツなどがあるなどゴージャスです。茶魔の絶叫と鞭のような擬音、じいの怯え方から柿野は鞭打ちの刑をしていると思ったが、実際は亀光からのペロペロの刑であった

オボーシャトル

ツクシ星人のワープ装置を組み込んで完成させた巨大スペースシャトルです。

茶魔の勉強部屋

当然ながら通常の小学生とは異なり、水族館・ミニ動物園・ピンボールゲーム等が備え付けてあります。ただし、真面目に勉強するには不向きであり、無意味に広い畳敷きの和式トイレでやるのが最適のようです。

乗亀隊と亀軍団

茶魔を乗せて走る亀の精鋭部隊。おこづかいは月2,000円です。乗亀隊は御坊家の亀達の憧れとなっています。茶魔が初登場したときは、ムチを持って亀に乗っていました。彼らの名前は全てフランス語由来です。

お助け軍団

御坊家に仕え、茶魔を手助けするための様々な特殊能力を持った人々の総称です。月給は一律100万円です。

主要登場人物

主人公

御坊茶魔(おぼう ちゃま)

茶魔

御坊財閥の跡取り息子で第999代当主。誕生日は4月1日。身長123センチメートル。血液型AB型。田園調布学園初等部の5年生。11歳。頭の上に一本の角状の突起があるが、これは髪型ではなく頭蓋骨の形状によるものである。早くに母親・和貴子を亡くし、父親に厳しく(?)育てられます。我侭で卑しい性格だが、情に厚く、奇想天外な発想と行動力で友達のピンチを幾度と無く救います。「あわてるな、じっくり行け」という父親の教えから、亀の上に乗って移動します。

父親の事を尊敬しており、父を目標としています。体力は友人らに赤ちゃん並と評されるほど酷く、走る事にかけては亀にすら負けるほどで、勉強もほとんど出来ない上に、異常な過保護下で育てられているため自己管理能力も皆無である。ただし危機に陥ると潜在能力を発揮し、作中では、人を担いだまま電車より速く走る、便所の尻拭きから会社を興す、機転を利かせ圧倒的な数のカエ類を撃退する、などの異能を見せました。

1人称は「ぽっくん」言葉遣いは「〜でしゅ」や「〜ぶぁい」などの幼稚な博多弁で、「ともだちんこ」のような彼の発する特殊な言語は「茶魔語」と呼ばれます。御坊家が茶魔のために使う金額は日本の防衛費のほぼ半分に匹敵し、月々の小遣いは1,500万円である。

好物は和菓子「いたらき」です。食べ物に関する感覚が普通の人とはかなり違います。耳には砂金、涙腺には真珠、鼻には黒真珠、歯にはダイヤモンド、ヘソにはエメラルド、尻には金塊を詰めています。「歩く身代金」の異名も持っています。身の危険が及ばぬように厳重な監視体制が敷かれているが、結構な頻度で危ない目に遭っています。一度は誘拐された時に自身の機転と金の力で誘拐犯を改心させた事もあります。

洋服は基本的にオーダーメイドのタキシード一種類しかないが、それは幼少期に亡き母自らデザインしたものであり、御坊家内の巨大倉庫に成長後を想定したサイズのものが一生分置いてあり、毎日新品が着られるようになっています。

幼い頃から漏らしてしまう癖があり、そこで母の和貴子が茶魔の股間をなでながら「ともだちんこ」と一晩中おまじないをかけたところ、たちまちにしてお漏らしが治ったという過去があります。

後に父が不在の時に御坊家を破産させてしまうが、周囲の協力を得て立て直す事に成功している。父の再婚相手である美々美とは仲が悪いです。御坊家の歴代当主は奇数代の者は茶魔の顔に似ており、名前に「茶」が付いています

家族

御坊亀光(おぼう かめみつ)

亀光と茶魔

御坊家第998代当主。御坊財閥の総帥で茶魔の父親。御坊家は茶魔系の顔と亀光系の顔が交互に現れて(奇数の代が茶魔の顔で偶数の代が亀光の顔)おり、亀光系は凛々しい顔つきで現在の当主である亀光自身は屈強な身体と立派な髭も特徴です。役員報酬は月10億円です。その一言は世界経済を動かすとまで言われています。

茶魔曰く「よーしゃなく、きびしか人」で本人も一人息子に厳しく接しているつもりだが傍目には溺愛して甘やかしているようにしか見えません。舌をなめあう「ペロペロ」はその最たるものです。一方で御坊家の掟として、茶魔を全裸にして家から追い出す等、掛け値なしに厳格な態度を取ることもあります。

茶魔に危険が迫った際は身を挺して守ったり、和貴子の面影を求めて、ナーバスになった茶魔に対しては自慢の髭を剃り落として自ら和貴子になりきろうとする等、茶魔への愛情は非常に強いです。父(茶魔にとっては祖父)・茶麻呂の遺言は絶対であるという御坊家のしきたりから、原作終盤で幼馴染みの美々美と再婚しているが元々再婚には乗り気ではなく、後に別居しました。

御坊和貴子(おぼう わきこ)

茶魔の母親。和服の美女で幼い茶魔を甘やかす亀光とは対照的に躾に心を砕いていました。茶魔が7歳の頃に病死しており、洋式トイレの間には肖像画が飾られています。SF色の強いエピソードではタイムスリップしてきた息子と出会っていたり、夫や息子の危機に際して、残留思念のような形で登場します。茶魔とひと時を過ごした後、夫子に見送られながら天国に帰っていった。

隣接関係

爺屋 忠左衛門(じいや ちゅうざえもん)

代々御坊家に仕える執事です。「忠左衛門」の名は世襲制で彼の先祖も同じ名を名乗っています。涙もろい人物だが御坊家になくてはならない人物です。亀光の少年時代から茶魔に至るまでほぼ無休暇で献身的に世話を焼いています。一度休暇をもらった事があったが、その不在の結果、茶魔はおろか、亀光までパニックに陥るほどでした。

しかし、当の本人は執事としての仕事をする事に幸福を見出しています。現在は温和な性格になっているが、かつては血気盛んな性格で少年時代の亀光も怖いと言うほどでした。御坊親子の最大の理解者でもあり、美々美の事をあまり良く思っていません。

学校

田園調布学園

茶魔たちが通う小学校です。そのスパルタ教育から「田園恐怖学園」とも呼ばれている、という初期設定だったが、連載を重ねるごとにスパルタ教育的な描写が無くなり、校内行事がやたら大規模だったりする以外は、ごくまともな小学校として扱われています。

友人

柿野修平(かきの しゅうへい)

柿野修平

田園調布学園初等部5年生。真面目で優しく、正義感も強いです。時折物語の締めで詩的な発言をすることから、地球王編では沙麻代から詩人が向いていると言われたことがあります。将来の夢は父と同様にサラリーマン。好きな食べ物はハンバーグ。月のお小遣いは1500円です。茶魔が田園調布学園に転校してきた日の帰り道、ピエールを助けたことがきっかけで茶魔の転校先でのともだちんこ第1号となります。

茶魔のことは最初は「おぼっちゃまくん」と呼んでいたが途中からは「茶魔」と呼ぶようになりました。沙麻代に対しては、当初からある程度の好意を受け、まんざらでもない態度を見せています。

御嬢沙麻代(おじょう さまよ)

御嬢沙麻代

田園調布学園初等部5年生。御嬢商事のお嬢様であり、帰国子女。100人いる茶魔の許婚(いいなケツ)の1人で最有力候補の美少女です。勝ち気でやや高飛車な面があるが周りの意見や空気にあまり、左右されず、自分を強く持っています。5年ぶりに日本に帰国し、田園調布学園に通うようになります。

実際に茶魔と対面するも彼の容姿や下品さに失望します。代わりに柿野にベタ惚れするも茶魔の雄姿を見たことで茶魔のことを一応は見直し、ストーリーが進むにつれて憎からずも思うようになり、後半に進むにつれ、ヤキモチなどの好意的な面も見せることとなります

袋小路金満(ふくろこうじ かねみつ)

袋小路金満

田園調布学園初等部5年生。御坊家に並ぶ財を一代で築いた大金持ち、袋小路家の子息です。大金持ちであることを鼻にかけた嫌な性格であるが親分肌な面も見られます。スポーツも得意だが勉強は苦手です。金玉が普通の子供より小さいことがコンプレックス。血液型O型です。転校初日、茶魔に金持ちのスケールの差で負かされたことから彼をライバル視しており、嫌がらせを行うことも少なくないです。一方、富豪同士である茶魔とは気が合うことも多いです。英一助(えい いちすけ)と美井二助(びい にすけ)という同級生を従者として連れています。

貧保耐三(びんぼ たいぞう)

貧保耐三

田園調布学園初等部5年生。元上流家庭のおぼっちゃまで現在は貧ぼっちゃま(びんぼっちゃま)の愛称を持っています。破産する前の父が学園に多大な貢献をした為、田園調布学園に通えることになり、転校してきました。自宅は大きな門があり、立派なように見えるが実際には書き割りであり、その裏の木の上に小屋を作って一家で住んでいます。トイレは木の上から行い、そこからの排泄物で木の養分として、葉っぱで尻を拭きます。

ピッチリとした七三分けの髪型と前半分しかない衣服がトレードマークです。前だけでも正装をしようというポリシーだが海パンやまわしでさえ、前半分しか着けず、いつも尻が丸出しです。プライドがなくなった時は葉っぱで尻を隠していました。

元上流家庭のプライドを今でも持ち続けており、生活のためにバイトや金目のものを集め続ける逞しさを持ち、絵も上手いです。貧保兄弟全員に言えることだがとてつもない悪食であり、昆虫や樹液も食します。口癖は「おちぶれても元上流家庭」「おちぶれてすまん」

教師

昴田怒留(すばるた どなる)

5年3組の担任教師。強面でお坊ちゃまでも例外なく厳しくしごくスパルタ教育がモットーです。体罰に生きがいを感じて愉悦の笑みを浮かべるなど人格を疑う描写が多く、越権と見られる行動(身体測定時に万力を使う、医師でもないのに注射(4 – 5連の特製注射器)を射つ、生徒の髪の毛が長いからといって勝手に切るなど)も多々見られます。

しかし、自分を見殺しにしようとした茶魔を助けて淡々と指導してやるなど、度量の大きな一面も垣間見せます。茶魔が転校してきて以来、彼に振り回されるイジられ役へとキャラが移行、次第に体罰的な行為は減少していき、いかつい面相以外は普通の教師となっていきました。家族は妻の美佐子と太郎と花子という一男一女。それに実母との5人家族。茶魔や亀光の手で家族を懐柔されたこともありました。顔のせいで誤認逮捕されたことがあります。

塾講師

怒玉勝悪(どたま かちわる)

柿野、沙麻代、袋小路の通う怒玉塾の塾頭です。物凄い強面であり、茶魔は勝悪を一目見ただけで「絶対にしゃからいましぇん!(逆らいません!)」「しゃからって(逆らって)たまるもんでしゅかっ!」などと、まだ初対面で何もされていないのに泣きながら絶対服従を決意してしまいました。しかし、話し方はオカマ口調です。必ず成績が上がる代わりに、昴田先生を越える超恐怖授業を行い、怒らせると、「ど・た・ま・かちわるどー!」の掛け声と共に、岩をも砕く頭突きが炸裂します。

茶魔の金や艶子の色気を以てしても一切揺らがない堅物だが、非常にオシャレを好む一面があり、特に強い拘りを見せていた髭を剃られてしまった際には激怒しました。頭頂にとぐろを巻いたうんこのような髪型をしており、亀光から「頭にウンコが乗ってますよ」と誤解されたことがあります。

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