剣道に取り組んでいる人の中には、筋トレを併用して、競技のパフォーマンスを上げたいと考えている人もいらっしゃると思います。そこで私は今まで経験を踏まえて、剣道をする上で筋トレとどう向き合えばいいのかを述べたいと思います。
剣道は純日本的な競技で、昔の剣道人は、機具を使って筋肉を鍛えるという事にはあまり積極的ではありませんでした。今でも、筋トレをすると、動きがぎこちなってしまうという説が多く聞かれています。そこで私自身が今まで取り組んできたことを紹介したいと思います。
私は中学校時代から、剣のスピードを速くしたい、速い打ちで相手を圧倒したいと考えて、二の腕を太くするためのダンベルトレーニングをやり始めました。そのトレーニングを続けると二の腕が太くなりましたが、剣道はどうなったかというと、調子が悪いなという風に感じるようになりました。
今まで、無意識に体がサッとでて、いい技が出ていたのに、それが無くなって、腕に意識が行くようになり、却って竹刀が重たく感じるようになり、なんか弱くなったかな?と思うようになりました。
一方で高校時代は、筋トレよりも走り込みをよくやっていて、個人戦の時は、体のキレが良くて好成績を治めました。その時は、筋肉がどうとかあまり気にすることは無かったと思います。相手との闘いに集中していたと思います。
大学の時は、今度は、自分の打突力の無さは足の筋力が無いのが原因と思い込んで、バーベルを用いたスクワットをやりこみましたが、あまり跳躍力が変ったという感触は得られませんでした。大学の時は、公式戦でもほとんど勝利できないまま引退することになりました。
剣道の体について考察したいと思います。私は、標準より、やや小柄で少しお腹がふっくらしやすいですが、日本人らしい体つきをしています。跳躍力は平均よりあるかないか程度で、速筋よりも、遅筋が発達している体です。
周囲には、跳躍力が凄くて強い選手もいるけど、中には、体がずんぐりしていて、あまり運動神経がいいように見えないけど、とても剣道が強い人がいました。
その人は、打ち方がとても安定感がある人で、合理的な打ち方をしているように感じました。どんな体勢でもバランスを崩さずに綺麗に技が出せるのです。私はその人のような剣道を身に付ければよいと考えました。
理にかなった動きの剣道を身に付ける場合は、機具で部分を鍛えるのではなく、自分が備えている筋肉の連携や関節の可動域を意識するようにします。
身体の関節で固いところが無いか、まだ使えていない筋肉が無いかとか、肩甲骨が機能的に動くかどうかをチェックして、トレーニングで柔らかくしていきます。股関節も固いのを柔らかくしていきます。腸腰筋もしっかり機能するように訓練します。
全身の関節や筋肉がしっかり機能しているかどうかを確認して、それでも技がスムーズに出せない原因が、筋力のバランスが悪いことだったり筋力不足であると判明した場合、筋トレで補うようにします。しかしその場合はできるだけ実戦の動きにつなげられるように、多くの箇所を、一度に刺激しながらトレーニングを行うようにします。
剣道人は、上達のためにはできるだけ普段の稽古の中でパフォーマンスを上げられるようにしたほうがいいと考えられます。その中で筋トレは剣道の動きを修得するのに筋力不足が妨げになっていると考えられる場合に補助として行ったほうが良いと考えられます。その場合は器具を用いたトレーニングよりも自重のトレーニングのほうが、バランスを維持できるので良いと思います。
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