登場人物続き
隠密御庭番衆
御庭番と呼ばれた実在の幕府組織をモチーフに描かれているが、上記の四乃森蒼紫と巻町操含め、以下もすべて架空の人物。配下たちの通称は能楽、狂言に用いる面の名に由来します。
柏崎念至(かしわざき ねんじ)
京都探索方。通称「翁(おきな)」で、劇中では一貫してそう呼ばれています。普段は料亭兼旅籠を営んでいます。身長165cm、1819年(文政2年)9月生まれです。京都府出身。乙女座、血液型AB。趣味:情報収集。特技:観光案内。
操の育ての親です。普段はスケベな好々爺だが、志々雄一派と対立する剣心に対して強引に協力を約束するなど、時に操にも通ずる我が儘な一面も見せます。ただし剣心の胸中も察しており、彼が葵屋を巻き込みたくないという想いを抱えていることにも気づいていた。葵屋が襲撃された時は「せくしいこまんどぉ」なる武術で侵入者を撃退していました。
驚いた時などは「ひょ」と声を発する。かつては御庭番衆最恐と呼ばれており、残虐な一面を持ち合わせています。戦闘においても先代御頭と互角に戦えた実力の持ち主で、修羅と化した蒼紫との戦いでも「先代の技は通用しない」として二本のトンファーを駆使して優位に立っていたことがあります。
四乃森蒼紫
御庭番衆の御頭で剣心の宿敵の1人です。幼い頃から隠密として厳しい修練を積んでいるため、常に冷静で徹底した現実主義者です。普段は寡黙で無表情なことが多いです。そのため、他人から誤解を受けやすいですが、実は情に篤いところがあります。
部下を最後まで面倒をみるような義理固い人です。敵対した相手でも、攻撃をした後に、死なないように配慮するようなところがあります。相手に裏切られることを嫌います。
巻町操
隠密御庭番衆先代御頭の孫で四乃森蒼紫を慕っている少女です。部下とも仲が良いです。東海道で京都に向かっていた剣心に会い、京都まで同行します。
喧嘩は一般人に比べてはるかに強いですが剣心たちと比較すると実力は大幅に落ちるため、戦力として扱われていません。外見が小柄で幼児体型であるため、実年齢より年下に見られています。
般若(はんにゃ)
密偵方の上位隠密。身長166cm、体重55kg、1855年(安政2年)6月生まれ。出身地は貧しい農村であること以外は詳細不明。双子座、血液型A。尊敬する人物:四乃森蒼紫。幼少時代に口減らしのために親に殺されかけ、生き残って放浪していたところを蒼紫に救われます。
密偵方だけあって第一の任務は諜報工作であるため、いかなる顔にも変装できるようにと、自分で顔面の肉と皮膚を剥ぎ、鼻を落とし、頬骨を砕いて顔面に徹底的な改造を施しています。その為、素顔はゾンビを彷彿とさせるグロテスクな外見になっています。だが、本人はそれを気に入っています。般若の面は、素顔そのものを隠すためのものだが、戦闘においても視線を隠すので「先読み」の妨害にも使えます。剣心との2度目の戦いで、仮面が破壊されました。
密偵方であると同時に蒼紫仕込みの卓越した「御庭番式拳法」の達人で、伸腕の術に加えて鉤爪を使うなど戦闘技術にも長けています。また操の世話役でもあります。基本的に女性に対しては礼儀正しく振る舞うが、仲間内や男相手にはぶっきらぼうな態度になります。観柳邸のエントランスにて剣心と対決します。伸腕の術で一時優位に立つが、破られた後は鉤爪で立ち向かうも剣心の一刀には及ばず敗北します。似たような境遇である恵を気にかけています。
火男(ひょっとこ)
中位隠密。身長190cm、体重120kg。1848年7月生まれ。熊本県出身。蟹座、血液型O。好きな食べ物:明太子。火術使いで、直情的な性格をしています。身体が肥満体なのは胃に火炎放射用の油袋を仕込むためです。補給のための樽も背負っています。神谷道場を襲撃した際に剣心、左之助の両名と対決します。左之助相手には火炎放射の不意打ちで優位に立つが、剣心にはあっさりと破られます。
トリックのネタを見破った左之助の特攻により油袋を引きずり出されてしまい、ならば素手でと殴り掛かるが左之助の拳には遠く及ばず敗北しました。その後は癋見と共に床に臥せっていたが、観柳が機関砲を用いたことで危機を察知し戦場に駆けつけました。蒼紫を守るべく捨て駒になり、観柳の回転式機関砲
によって戦死しますが、樽に潜んでいた癋見の攻撃につながります。
敵キャラクター
鵜堂刃衛(うどう じんえ)
どの藩閥にも属さず、金で人斬りを請け負っていた浮浪(はぐれ)人斬りです。主義や思想などは持たず、強い殺人欲のみで動く危険人物であるが、ただの狂人ではなく独自の殺しの美学を持つなど知的な一面も覗かせています。当時存在しないはずの全身タイツ、白目と黒目が逆転した目付きと、「うふふ」「うふわははは」という独特の笑い方が特徴です。
初めて幕末の京都に現れた時は新撰組隊士であったが、人間を斬りたいという欲望から、不要な殺人も行っていました。そのため新撰組から粛清されそうになるも、逆に返り討ちにして脱退します。その後は維新志士として人を斬り続けます。明治に入ってからも、要人暗殺請負人「黒笠」として人斬りを続けていました。標的を暗殺する際は、まず斬奸状を送りつけ、あえて標的に厳重な警護をさせ、その中に単身で斬り込み任務を達成すると共に、己の欲望を満たしていました。
武田観柳(たけだ かんりゅう)
裏社会で新型阿片の密売を行っていた悪徳実業家です。一人称は「私」。身長169cm、体重60kg。1848年(嘉永元年)9月生まれです。東京府出身。乙女座、血液型A。特技:金儲け。趣味:掃除。
医師と結託して阿片を売り捌いていたが、仲間割れにより殺害してしまいます。そこで医師の助手をしていた高荷恵を阿片生産のために拉致・監禁していました。阿片の密売によって得た資金を元手に武器商人となり、さらに財を成そうと企んでいます。役に立たない部下は躊躇なく始末する。普段は他人に敬語で話し丁寧な物腰を装うが、本性は卑劣かつ狡猾です。
感情が入った途端に罵詈雑言を浴びせて過激な暴力を振るうが腕力どころか体力もない虚弱な男です。屋敷には総勢60人の私兵団を配備しています。剣心たちが屋敷に乗り込んで来た際には回転式機関砲(ガトリングガン)を持ち出して、剣心たちを皆殺しにしよと銃撃を浴びせたが、御庭番衆が盾となっている間に弾切れとなり、その隙を突いた剣心の怒りの一撃で倒された後駆け付けた警官隊に逮捕されました。
この時、恵も同罪であることを喚き散らしていましたが、剣心に睨まれて黙らされ、さらに署長のはからいによって彼女は実質的に無罪となりました。
石動雷十太(いするぎ らいじゅうた)
塚山家(後述)の財力を利用し、古流剣術を元に10年をかけて自ら創設した真古流という剣術団体を広めようとしていた剣客です。一人称は「吾輩」身長190cm、体重90kg。1850年(嘉永3年)5月生まれです。静岡県出身。牡牛座、血液型B。好きな食べ物:山葵。
塚山親子が強盗たちに襲われているところに颯爽と現われ、たったの一撃で強盗たちを追い払ったことから、感銘を受けた塚山由太郎の剣術指南役として雇われました。しかし実際にはこの強盗たちは雷十太が雇ったチンピラに過ぎず、全てはパトロンとして目をつけた塚山家に取り入るための狂言でした。
由太郎に対しても弟子とは微塵も思っておらず、尊敬されていることを知りながら煩わしいとしか考えていませんでした。見た目は粗暴で豪胆な雰囲気の強い大男だが、実は自己の思想に酔っているだけの愚物です。
道場破りのために訪れた前川道場にて宮内と竹刀を使った三本勝負を行い、自身の実戦主義に反する勝負方式に憤りつつもこれに圧勝します。さらに剣心を真古流に勧誘しようとして断られ、その後戦闘に及びました。刺客に送り込んだ弟子たちが敗北した為、自分が戦いに出ますが、背後からの不意打ちで剣心を狙うなど手段を選ばなくなり本性を表します。戦いの最中、自身が放った「飛飯綱」が由太郎に当たり重傷を負わせます。
これにさえも全く悪びれなかったため、本気で怒った剣心の飛龍閃に飛飯綱を破られ敗北します。弥彦を人質に取り逆転を図ろうとするが、殺人剣を唱えてはいるが、一度も人を殺したことがないことを見破られた上に、弥彦の気概と剣心から「己が奪った(剣によって)命の重みで自分自身(精神)が奈落に落ちる剣が殺人剣である」と諭されています。
志々雄一派
志々雄真実
明治政府打倒と日本征服をもくろむ一大兵団「志々雄一派」の指導者です。「弱肉強食」を信念にしており、弱者を糧に真の強者が生き残る修羅の世界を志向しています。自分がしていることは悪いことと自分でも認めています。ただし、征服した後の日本を自分の手で強国にすることが自身の「正義」とも信じています。
幕末期は長州派維新志士として活動し、剣心から影の人斬り役を引き継いぎました。当時は剣心との面識は無くて後に出会っています。剣の腕と頭の切れは剣心と互角と評された実力者ですが、底知れない野心を味方に危険視され、混乱に乗じて奇襲されました。
その後全身を焼かれながらも生き延び、特攻部隊「十本刀」を軸とした精強な兵隊、大型甲鉄艦「煉獄」などの強力な兵器を有する一大組織を創り上げました。その後は日本征服という目的のためにのみ行動しています。
体を包帯で巻かれていて革靴をはいています。全身の火傷により発汗機能は失われて体温調節ができず、いつも体は高熱を帯びています。外見以上に力が強くて相楽左之助の二重の極みを受けてもびくともせずに左之助を拳による一撃で気絶させました。火傷のため戦闘できる時間は限られています。
知性と教養を示唆する言動が多く雑兵たちには熱狂的な支持を受けています。性格は冷酷非道で弱者にも容赦しない一方で、強者や覚悟を決めた者などには敵味方を問わず敬意も払います。
また、弱者であっても見所のある者や、不遇な過去を切り捨てて自分を信じて慕う者などには配慮を行います。目的達成のためには、他者を捨て駒とすることも厭わないが、卑劣な手段は使いません。
駒形由美(こまがた ゆみ)
身長163cm、体重49kg。1850年1月生まれ。東京府出身。山羊座、血液型B。趣味:入浴。嫌いな人物:本条鎌足。“夜伽”の由美。志々雄の愛人兼世話役を務める妖艶な美女です。志々雄とは相思相愛の仲で、一般的な恋人の価値観を超越した絆で結ばれています。
同じく志々雄の側近である十本刀の宗次郎とも仲が良く、同じ十本刀の張や兵士たちからも姉貴分として親しまれています。護身用の小刀を隠し持っているが戦闘能力は皆無に近く、戦いを好む志々雄の役に立てないことにいら立ち、戦闘要員である宗次郎や恋敵の鎌足に内心嫉妬していました。
元はとある商家の娘でしたが、身売りされた後に、遊女に転職しています。最終決戦では本拠地に赴いた剣心たちの案内役を務めます。その際に左之助とはコミカルなやり取りも見せました。
剣心と蒼紫との戦いでは無線を通じて、天翔龍閃の仕組みを報告しようとしたが、常人である由美には天翔龍閃を目に捉えることはできませんでした。剣心との戦いに敗れた宗次郎を介抱した際、彼から天翔龍閃の仕組みを教えられると共に脇差を渡され、別れの挨拶を交わしました。
瀬田宗次郎
“天剣”の宗次郎といわれています。十本刀最年少にして最強の剣士です。書生風のあどけない少年に見えますが、志々雄の信頼は厚い人です。普段は側近として付き従いつつも、大久保利通暗殺をはじめとした数々の最重要任務に派遣されている事実上の志々雄の右腕です。
剣心に匹敵する天賦の剣才「天剣」と、喜怒哀楽の「楽」以外の感情を持たないがゆえに思考や気配が一切読めません。強靭な脚力で瞬間移動並みの速度を発揮する超神速の移動術「縮地」を兼ね備えています。
過去に虐待を受けていたことがあり、いじめられても作り笑いでやり過ごす癖がついていました。殺されかける前に志々雄から宿賃代わりに渡された脇差で家族を全員斬殺して、明治維新後の志々雄の最初の部下となって国盗りに向かうことになりました。
宗次郎は感情が欠落しているので、行動が読みにくく剣心は苦戦をしています。超神速の奥義「瞬天殺」を繰り出すが、剣心が放った同じく超神速を誇り破壊力で上回る「天翔龍閃」の前に敗れます。
志々雄を恩人として尊敬し、志々雄から与えられた「弱肉強食」の理念を至上の思想としているため自ら思考することを放棄しています。志々雄一派壊滅後は、志々雄の名の下で自らが行った人斬りの意味と、これからの自分の生き方を模索するため、日本各地を放浪します。
魚沼宇水(うおぬま うすい)
身長176cm、体重77kg。1842年3月生まれ。琉球出身。魚座、血液型A。特技:盗聴。初登場時は36歳。“盲剣”の宇水。十本刀の中でも宗次郎と並び、最強格の戦闘能力を持つ剣士です。
琉球王家秘伝の武術の使い手です。かつては幕府方の対人斬り用暗殺者として剣腕を振るい、何人もの名の知れた剣士を葬っていました。しかし、ある日遭遇した志々雄に両眼を斬り裂かれて惨敗し、あっさりと幕府に見限られます。その後「隙あらば志々雄を殺しても良い」との条件の下で十本刀に加わり、志々雄の部下ではないことを誇示するが、実は志々雄の余りの強さゆえ復讐は半ば諦めています。
盲目になったことを機に剣術の1つの究極の型「心眼」を開きます。その正体は、数キロ先の小川の音すら聞きつけるほどの異常聴覚である。戦闘では、筋肉の軋む音から相手の攻撃姿勢を、足音と空気を切り裂く音から相手の位置を予測して攻撃します。また、心音を聞き取ることで相手の心理状態を読むことができます。性格は非常に残忍でプライドが高いです。
軍や警察から選び抜かれた精鋭部隊50人を一夜にして壊滅させており、志々雄のアジト到着時にも雑兵達を無用に殺害していました。志々雄のアジトで斎藤と戦った際には牙突を初見で完璧に捌き、さらに痛撃を加えるなど有利に戦闘を展開していました。しかしながらプライドの高さと上記の事実を斎藤に見抜かれ、挑発に乗ってしまいます。
接近したところに牙突零式の直撃を受け、上半身を吹き飛ばされて死亡しました。斎藤曰く、志々雄を狙うふりをしていれば少なくとも周囲の者には敗北を悟られずに済むとのことなので仲間内からは実際の実力以上の評価をされていたことが窺えます。事実、宇水の心の内を見抜いた上で利用していた志々雄からは宇水よりも斎藤の方が強いと評価されていました。
モデルは漫画『ドラゴンボール』の桃白白。名前は新潟県魚沼地方に由来します。完全版第12巻の再筆:日焼けした褐色の肌、中華風の鎧を身にまとうなど琉球出身であることが強調されたデザインとなりました。
本条鎌足(ほんじょう かまたり)
身長160cm、体重49kg。1852年3月生まれ。福岡県出身。魚座、血液型O。趣味:ダイエット。初登場時は25歳。“大鎌”の鎌足。大鎖鎌を武器としています。見た目は美しい女性だが、実は男性(オカマ)です。志々雄に心酔しているが、男としては宗次郎、女としては由美に勝てない自分を歯痒く思っています。自分に対して「鎌女」と呼んだ操に対して出し抜けに股間を晒し、自らが男であることを知らしめました。
葵屋の襲撃に参加し、薫と操を圧倒するが、2人の連携の前に敗北します。その2人は、鎌足の「好きな人の役に立ちたい」という気持ちに共感していました。志々雄一派壊滅後、張から志々雄が死んだことを聞かされた際には自分も死のうとしたが、張の方便により、志々雄の語り部となるべく生きる決意をします。
新選組
近藤勇(こんどう いさみ)
多少髪が逆立っています。現実と理想の間で悩みながらも己の士道を貫きます。威圧的な風貌から若手隊士に怖がられているのが少し寂しいです。
土方歳三(ひじかた としぞう)
剣心とも一対一で戦ったことがあり、「剣腕はさほどではないが、すこぶる戦巧者で一番相手にしたくなかった嫌な男」と評されています。作者が歴史上の人物で一番好きだと豪語している人物です。髪型はあまり変わっていないが、目付きが鋭くなり、顔も細くなっています。現実と理想の違いを受け入れ、近藤に士道を貫かせようとする。沖田以外の人間が自分に懐くのが嫌いらしいです。
沖田総司(おきた そうし)
新選組一番隊組長。新選組最強といわれた天才剣士で、かつて剣心と幾度となく死闘を繰り広げられました。本編初登場では人斬り抜刀斎と激突しようとしているところを、斎藤に肺の病を見抜かれ引き下がりました。
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