剣道に対する筋トレと立禅の比較

剣道

私は剣道を小学校2年の時に初めて、小学校の頃は筋トレは特にしていなくて、稽古中に行われる腕立て伏せはこなしていましたがそれ以外は何もしていません。中学校の2年の頃に、父親が子供の頃に使用していた8kgのダンベルで腕を太くしようと試みたのが初めて筋トレをすることになったきっかけです。

当時は自分は剣の振りが遅いから、腕を太くしたらもっとスピードが出るかもしれないと思っていてダンベルでトレーニングしていました。しかし腕は確かに太くなったけれどあまり技のスピードが速くなったという感覚は得られませんでした。竹刀は以前よりも重たく感じられて試合中も腕に意識がいっていて、体全体で打つという感覚を見失ってしまいました。そのころはあまり調子がよくはありませんでした。

その後高校や大学時代も、自費でダンベルセットを購入したり、プロテインを購入して試したりして体全体を鍛えたりしていました。筋トレをすることで、ひょろひょろしていた外観はごつごつしたたくましい雰囲気になりました。大学時代は、大学のトレーニングルームでバーベルを使ってスクワットやベンチプレスを行っていました。

筋トレをすると、確かに見た目は強そうな感じにはなるのですが、剣道の実力が上がっているという感覚はあまりありませんでした。あいかわらず強い人には歯が立たなくて、伸び悩みました。うまい人に比べて明らかに何かが不足しているという印象を持ちました。

社会人になってから、乳製品の検査の仕事についてから、身体感覚の違いを意識するようになりました。仕事ができる人はみんな手先や体を器用に操って、正確に作業をしていました。一方の自分は不器用だったのでそういう人たちの動きを参考にして追いつけるように努力をしていました。しかしなかなか思い通りにすることはできませんでした。

私は体を器用にしたいと思って会社を辞めた後、農業アルバイトをしたり、本を読み漁ったり、料理をしたり、掃除をしたりして身体感覚を身に付けていきました。太気拳を札幌で教わってからは、毎日欠かさず立禅をこなしていました。

立禅は東洋的なトレーニングで、筋トレは、西洋的で部分を鍛えるのがメインなのに対してこっちのほうは体全体の体の使い方を良くするためのトレーニングです。

部分的な筋力を上げることに対しては筋トレのほうが効果があります。一方で立禅は、体全体のバランスを良くしたり自分の体の重みを上手に活用する能力を上げたり、全身の筋肉の連携をよくする効果があります。身体感覚もより細かくなります。

立禅は、武道家が、実戦や稽古を積み重ねて、試行錯誤して生み出したものなので、より実戦的で実際的です。立禅を毎日繰り返していると、明らかに体の切れが良くなって動作が上手くなっているのを実感することができます。

筋トレは科学的実証されていて確実に筋力が上がって体つきは大きくなって強そうにみえるようになりますが、いざ剣道をして、上手くなっているという感覚を味わうことは少ないです。剣道のパフォーマンスには、筋肉を強くすることだけではなく、関節の柔らかさや、筋肉同士の連携だったり、神経の働きや脳の働きや、腱の強さなど、他の要素が鍛えられていることが重要であると考えられます。

立禅は、実戦に近い動きなので、これらのすべての要素を同時に鍛えることができます。なので剣道の競技力を上げたい場合は筋トレよりも立禅のほうが着実な効果が見込めると考えられます。

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