心の強さについて

剣道

人間社会でたくましく生きていくには心が強いことが求められます。剣道の稽古も心を強くする目的で行われている一面があります。心が強ければ、日常生活でストレスがかかっても上手く切り抜けられるし、苦しいと感じることも減ってきます。前向きな態度で生きることができるようになります。

人間の心が強いということはいろいろな見方があり考え方が多彩です。

人に頼らずに、自分で計画して行動する力があることを心の強さと考える人がいます。他人の誘惑や影響から離れて、自分の考え方を貫けることを心の強さと考える人がいます。いろいろな個性や考え方が違う人と交流してうまく関わっていけることを心の強さと考える人がいます。

辛い稽古や夏の厳しい暑さに耐え抜く忍耐力があることを心の強さであると考える人もいます。緊張しやすい試合中の一番大事な場面で思い切りが良い技がだせることを心が強いと考える人もいます。人から怒られたり気分に波があっても挫けずに、最後まで稽古を頑張りぬくことを心が強いと考える人もいます。

このように心の強さの解釈はさまざまですが、これからの世の中で重要度が増してくるのは思い切りの良さや、状況の変化に臨機応変に対応して行動できるなどの積極的な心の強さです。物事に執着せずに今に集中することができたり、なんでも好奇心を持って行動にうつす前向きな心です。

一方で、辛いことに耐え続けるなどの消極的な心の強さの重要度は、昔に比べるとそこまで必要ではなくなってきています。今の世の中は、肉体的な辛さに我慢しなくても、仕事をこなしたり生産できる世の中になってきています。例えば40℃の灼熱の暑さの中で体を酷使するような忍耐力はあまり求められなくなってきています。

以上のような積極的な心の強さを身に付けるためには、稽古方法も見直す必要があります。肉体的にきつく追い込むことは以前に比べてそこまで求められなくなっています。そのかわりに、子供達が稽古で自分で工夫したり研究したり試行錯誤したりして技を磨くことや稽古内容に集中して,積極的に技を出し合うことが大事だと思います。

あまり試合に勝つことにこだわることは良くないと思います。負けを恐れずに思い切った技を出すように普段から心がけるようにします。指導者はあまり教え込むことはせずに、子供達が自然体でのびのび稽古できるように工夫した方が良いと思います。子供達のモチベーションを上げて、無理なく稽古を継続できるように配慮する必要があります。

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