日々の稽古で修練を積んで剣道の技量が一定以上に達してくると、中学校や高校剣道の強豪校と弱小校の動きの質についての見極めができるようになってきます。
試合を観戦してなんとなく、このチームは強い、このチームは大したことはないということが瞬時に判別できるようになります。一定レベル以上の強いチームには弱いチームには無い共通した特徴があります。
どういうところかというと、まず強豪校は、体の動きが全体的に大きいです。竹刀の振り幅が大きかったり、足さばきに躍動感があり、肩甲骨や左足などの後半身が良く働いていると感じさせます。一方で弱小校は明らかにそういう部分が不足しています。
普段の稽古で剣道の修練が少ない人が陥りやすいところに、とにかく速く剣を相手に当てようと意識しがちです。そのためにこじんまりした、勢いがない打ち方になってしまいます。腕が先に前に出て上半身だけが動いていて足が十分に働いていなかったりします。
一方で上手な人は、体全体の力を連携させて、勢いのある技を出しています。足を鋭く踏み込んで、その力を上半身に伝えて剣の勢いに変えています。上半身と下半身の連携もスムーズにできています。
こういう動作を身に付けるためには、普段の基本稽古から、関節を十分働かせて、大きな動きで稽古をする必要があります。基本稽古でしっかり振りかぶって大きな動きを体に覚えさせたほうが、試合でも勢いのある速い技を出せるようになります。
以上のように剣道の技の上達のためには、できるだけ全体を意識することが大事です。目付も相手全体をぼんやり見るようにします。特定の打突部位に視線がいかないようにします。打突の時は、特定の部位の筋力に頼らないようにします。体全体の力で打つようにします。
筋トレの時も、特定の部位を集中的に鍛えないようにします。右腕をしたら、左腕もするようにして、前腕や肩などまんべんなくするようにします。背中、お尻、足などもバランスよく鍛えるようにします。打突するときは、体の中心を相手にぶつけるようなイメージで打つようにします。
強豪校の人達は大きく速く打つことを普段の稽古から意識して行っています。そのため試合の時でも動きの質の違いになってそれが現れています。
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