立禅は現代人にとって、とても役に立つトレーニングであると考えられます。最近の人は、昔に比べて、重いものを持ったり、農作業の重労働をする機会は減ってきています。そのため、きちんとした身体感覚が身についていないまま歳を重ねていく人が増えてきています。
特に若い人は昔に比べて、動作の機会が減ってきています。体型も、ウエストがほっそりしている人が多いように思います。腰から股下の間あたりがしっかり収まっていない感じの人がいます。
運動で体を鍛えていないと、呼吸は口呼吸で浅いものになり、重心は上がり、ちょっとしたことで動揺しやすくなります。頭でなにもかもものごとを考えてしまい、体の感覚で状態が良いとか、今は危険であるとかを瞬間的に判断することが難しくなっています。
しかし立禅を普段から行っていると、呼吸が深くなり、重心が下がって、落ち着いて判断できるようになります。体の感覚が磨かれて瞬間的に危険を察知したり、とっさに防御をしたりできるようになります。胴体の部分も発達して姿勢の安定感が増し収まりが良くなります。
さらに立禅を継続してやっていると、無駄な筋力を使わずに、すっきりと骨の抵抗力だけで立てるようになります。現代の日本人は普段の生活の癖で、体のバランスを崩している人が多くて、立ちっぱなしで長時間同じ姿勢を維持できる人はとても少ないと思います。
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